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食品中のパーフルオロアルキル化合物:存在と食事暴露

Perfluoroalkylated substances in food: occurrence and dietary exposure
EFSA Journal 2012;10(6):2743 [55 pp.].
06 June 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2743.htm
食品中のパーフルオロアルキル化合物(PFASs)は熱及び化学安定性が高く界面活性の高い高度にフッ素化された脂肪族化合物である。PFASは繊維や紙、包装材、塗料、ニス、消火剤などの多くの工業用及び化学製品に使用されている。PFASは難分解性環境汚染物質と見なされ健康に有害な影響がある。暴露源は主に食事である。2008年にEFSAのCOMTAMパネルがPFOSとPFOAについてリスク評価を行い一般人にみられるPFOSまたはPFOAによる有害影響はありそうにないと結論した。CONTAMパネルは入手できるデータが少ないことを指摘しさらなる食品中のPFASの監視を勧めた。この報告はEU 13か国で2006年から2012年の間に集めたPFASのデータをまとめたものである。27物質について合計54195の分析結果が報告された。全体として検出されている量は極めて低い。
食品群毎ではPFASの検出頻度が高いのは魚やその他のシーフードと肉及び肉製品(特にレバー)である。PFOSについては成人集団の食事からの暴露量は平均でTDIの3.5%未満、高摂取群で6.7%未満である。同じ消費者集団でPFOAへの暴露はそれぞれTDIの0.3%未満および0.5%未満である。幼児の暴露量は成人の2-3倍である。他のPFASについては、毎日の食事からの暴露量は数ng/kg体重のレンジである。このレビューは食事からのPFOSとPFOAの暴露は健康ベースのガイドライン値を超過する可能性が低いことを確認した。