Oxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) of Selected Foods, Release 2 (2010)
Last Modified: 05/16/2012
http://www.ars.usda.gov/services/docs.htm?docid=15866
最近USDAの栄養データラボ(NDL)は、ポリフェノールを含む特定の生理活性化合物のヒト健康影響に抗酸化能を示す指標が関係ないことを示す根拠が増加したため、USDAのORACデータベースをNDLのウェブサイトから取り下げた。
理論的にがんや冠動脈疾患、アルツハイマー病や糖尿病などの各種慢性疾患を予防したり改善したりするのに役立つと考えられている生理活性化合物がたくさんある。しかしながらその代謝経路が完全に理解されたわけではなく、まだ不明ながら抗酸化によらないメカニズムも関与している可能性がある。ORAC値は食品やサプリメント業者によって製品の宣伝に常に誤用されてきた。
食品の抗酸化能を測定する試みとしてORACを含む多数の化学分析技術が開発されてきた。ORACはある化合物によるペルオキシラジカル誘発性酸化阻害の程度を調べるものである。これはTolorox相当量としての量を測定し、阻害時間と阻害の程度を含む。ORACのいくつかの新しい方法では別の物質を使っていて各種測定法による結果は比較できない。さらに第二鉄イオン還元抗酸化力(FRAP)やTrolox相当抗酸化能(TEAC)測定法などの他の測定方法では異なるラジカルや酸化物を利用しており直接比較できない様々な値を出す。
ポリフェノールをたくさん含む食品の健康への良い影響が抗酸化能によるという根拠はない。In vitroで測定される食品の抗酸化能はin vivo(ヒト)には適用できず、食事中抗酸化物質の影響を調べたヒト臨床試験の結果は一貫しない。我々は今や、食品の抗酸化分子には幅広い機能がありその多くがフリーラジカルの吸収能力とは関係ないことを知っている。
従ってこのウェブサイトで提供していたORACテーブルは取り下げた。
(抗酸化力がどうこうという宣伝は根拠がない、とEFSAに続き米国も公式に認めた。さて日本はどうするかな。)