食品安全情報blog過去記事

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論文等

A large outbreak of scombroid fish poisoning associated with eating yellowfin tuna (Thunnus albacares) at a military mass catering in Dakar, Senegal.
Demoncheaux JP et al
Epidemiol Infect. 2012 Jun;140(6):1008-12.
2010年11月26日にセネガルフランス軍ヒスタミン中毒がおこった。マグロのヒスタミン量は4900 mg/kg、患者71人の症例対照研究を行った。

  • 下剤として利用されているハーブ製品の有害事象疑い事例のサーベイランス

Surveillance of suspected adverse reactions to herbal products used as laxatives.
Vitalone A et al
Eur J Clin Pharmacol. 2012 Mar;68(3):231-8
2002年4月から2011年1月の間にイタリア医薬品局と国立健康研究所が受け取った疑い事例は26例。80%が女性、50%が重症で1例は命に関わるものだった。ハーブレメディとしてはリコリスタンポポ、アントラキノン含有植物である。

  • ベルギー成人のフランリスク評価

Risk assessment of Belgian adults for furan contamination through the food chain
Scholl G et al
Food Addit Contam Part A Chem Anal Control Expo Risk Assess. 2012;29(3):345-53.
決定論的アプローチによる推定一日摂取量は380 ng*(kg(bw)*day)⁻¹で55%がコーヒーから。確率論的アプローチでは平均は494 ng*(kg(bw)*day)⁻¹ 。暴露マージンは1万より大きくリスクは小さい。

Rice-induced anaphylaxis: IgE-mediated allergy against a 56-kDa glycoprotein.
Trcka J et al
Int Arch Allergy Immunol. 2012;158(1):9-17

Identification and quantification of the migration of chemicals from plastic baby bottles used as substitutes for polycarbonate.
Simoneau C et al
Food Addit Contam Part A Chem Anal Control Expo Risk Assess. 2012;29(3):469-80
BPAフリー表示のある製品からBPAが検出されたりPPやシリコーン性のものからは総溶出量が多いことなどが報告されている

The effect of garlic supplements and phytochemicals on the ADMET properties of drugs.
Berginc K, Kristl A.
Expert Opin Drug Metab Toxicol. 2012 Mar;8(3):295-310. Epub 2012 Feb 8.
レビュー。ファーマコキネティクスへの影響は薬物特異的でサプリメントの種類や質による

[Liquorice-induced hypertension and hypokalaemia].
Nielsen ML, et al
Ugeskr Laeger. 2012 Apr 9;174(15):1024-5.
リコリスを慢性的に食べ過ぎた50才女性の症例。デンマーク

  • Omalizumabの投与により合併するモモアレルギーの改善を認めた成人喘息の1例

鈴木 慎太郎
アレルギー, 61 (2): 215-223, 2012
http://jja.jsaweb.jp/2012/061020215j.html

  • オリンピックにおける不正薬物使用:誰が、何を、どうして?

Drug cheating at the Olympics: who, what, and why?
Chris Cooper
The Lancet Volume 380, Issue 9836, 7–13 July 2012, Pages 21–22
2012年ロンドンオリンピックには14000人以上のアスリートが参加する。そのうちどのくらいが薬物の不正使用をするだろうか?Striegelらによれば若いエリートアスリートの約7%がどこかの時点でのドーピングを認めている。それをあてはめると今回のオリンピックでのドーピングは約1000人となる。ほとんどは検査対象の6000に入るのを恐れてゲーム前は試用を止めるだろう。
アスリート達は主に三つの領域、爆発的力、有酸素持続、疲労のために禁止されている方法を試みる。しかし薬物の影響はそれほど簡単ではない。ベン・ジョンソンが金メダルを剥奪されて3年後、科学者達はこの薬物が効果があったのかどうかの根拠を見つけられなかった。タンパク同化ステロイドの理論的逸話的効果はあるものの実験的根拠はそれほど明確ではない。
この分野の状況概説