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  • 小麦恐怖症:小麦を避けることが本当にあなたの健康を改善するか?

Wellness Letter
Wheatophobia: Will Avoiding Wheat Really Improve Your Health?
Issue: August 2012
http://www.wellnessletter.com/ucberkeley/feature/wheatophobia-will-avoiding-wheat-really-improve-your-health/
小麦は低炭水化物ダイエットやアレルギーがあると信じているたくさんの人々に長い間のけ者にされてきた。今や心臓専門医Dr. William Davis のベストセラーWheat Bellyを読んでさらにたくさんのヒトが小麦を食べたくなくなったことだろう。この本では「小麦は我々を太らせるだけではなく心疾患や糖尿病や関節炎、骨粗鬆症、認知機能、白内障などあらゆる病気の原因である」という。もしたった1つの悪者が健康問題の原因なら、小麦を食べなければ全部良くなる?それはどうだろう。
Davis博士の主張と我々の指摘の一部を示そう。
主張:ほとんどの穀物は悪いものだが、現在の小麦は最悪である。なぜならそれは何年にも渡って交配されてきて「怪物穀物(フランケングレイン)」になってしまっている。アミロペクチンAを含み、血糖値をあげ食欲を刺激するので卓上砂糖より悪い。さらに古い時代の小麦よりグルテンの反応性が高くなっている。
事実:長い間に渡って質の良い収量の多い小麦を交配により作り出してきた。ほとんどの作物がそうである。古い品種と新しい品種に健康上の差があるという臨床的根拠はない。全てDavis博士の想像であり近代農業への恐怖を広めるものである。
主張:小麦が肥満の原因である。
事実:小麦は世界の多くの国で主食で、地域の摂取量と肥満率にはほとんどあるいは全く関連はない。
主張:小麦のせいで糖尿病や心疾患やその他慢性疾患が増えた
事実:特に小麦が批判されなければならない根拠はない。
主張:全粒紛のほうが精白小麦より良いことはないので避けるべき
事実:全粒紛を食べるほうがリスクが低いという研究はたくさんある
結論として
セリアック病やグルテン不耐でなければ、小麦を避ける理由はない。多くのアメリカ人が食べすぎであることには疑いはないが、重要なのは適度に食べること。
セリアック病やグルテン不耐を疑うなら検査すべき。