食品安全情報blog過去記事

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2012年9月11日の議題

COT agenda and papers: 11 September 2012
http://cot.food.gov.uk/cotmtgs/cotmeets/cotmeet2012/cotmeet11sept2012/cotagenda11sept2012
有機リンと神経系への健康影響についての疫学文献レビュー案
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201226.pdf
1999年にレビューを行っているのでその後の文献について
初期検索で36000の文献がヒットし、重複などを整理してスクリーニングの対象にしたのが5000以上、選択基準の判断対象は402論文、フルスクリーニング対象に残ったのは176。そのうち最終的に残ったのは88論文。1999年のレビューでは対象にしなかった地下鉄サリン事件湾岸戦争関連データについては今回のレビューに含めた。
神経心理学、神経生理学、精神病理学、末梢神経障害や神経筋機能不全、自律神経系、パーキンソン病、PON-1遺伝子多型、慢性疲労症候群など多くのエンドポイントで1999年レビューは急性暴露により長期神経系合併症が起こる場合はある、長期低用量暴露については神経系への悪影響との関連は支持されないというものだった。その後の文献については急性暴露により長期神経系合併症が起こることはさらに確認されている。長期低用量暴露については明確な結論は出せない、というものがほとんど。
・乳児の食事とアトピーや自己免疫疾患リスクについてレビューを行う
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201227.pdf
・乳児の食事について化学物質毒性とアレルギー疾患リスクに関する包括的声明の案
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201228.pdf
現在政府は食物アレルギー、カフェイン、アルコール、メチル水銀ダイオキシンダイオキシン様化合物、ビタミンA、大豆エストロゲンの毒性について助言を発表しているがさらにフタル酸、ビスフェノールA、アルミニウム、鉛、過去の残留農薬臭素化難燃剤などについても助言が必要であろう。特に現行の助言を変更する必要性や懸念のあるものは同定されなかった。
・カフェインとアルコール相互作用についての声明案
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201229.pdf
カフェインとアルコールの同時摂取がリスキーな行動の原因かどうかは不明。アルコールの過剰摂取とカフェインを含む薬物の使用には関連がありそうに見える。
・リスク評価におけるトキシコゲノミクスデータの利用についての声明案
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox201230.pdf
毒性学的作用機序の評価や類似化合物の毒性予想、種差の評価など荷役にたつ可能性があるが、トキシコゲノミクスデータの変動のみで有害影響であると判断することはできないことなどに注意が必要である。