食品安全情報blog過去記事

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BRCA1/2変異のある人の診断用放射線暴露と乳ガンリスク:後ろ向きコホート研究(GENE-RAD-RISK)

Exposure to diagnostic radiation and risk of breast cancer among carriers of BRCA1/2 mutations: retrospective cohort study (GENE-RAD-RISK)
BMJ2012;345:e5660
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e5660
フランス、英国、オランダの3つの国家研究(GENEPSO, EMBRACE, HEBON)で、2006-2009年にBRCA1/2変異のある1993人の女性を対象に、累積乳腺線量と乳がんリスクについて推定した。BRCA1/2変異のある人では30才前の診断用放射線暴露はどのようなものでも用量依存的に乳ガンリスクを増加(ハザード比 1.90, 95% 信頼区間1.20 から 3.00)させる。30才前のマンモグラフィー歴も乳がんリスクの増加と関連する(ハザード比1.43, 0.85から 2.40)。

  • BMJのプレスリリース

30才前の診断用乳腺被曝はBRCA1/2変異を持つ人の乳がんリスクを増加させる可能性がある
Diagnostic chest radiation before age 30 may increase breast cancer risk in BRCA1/2 mutation carriers
http://group.bmj.com/group/media/latest-news/diagnostic-chest-radiation-before-age-30-may-increase-breast-cancer-risk-in-brca1-2-mutation-carriers
BMJは8月に乳がん慈善団体が誤解を招く統計を用いて女性にマンモグラフィーを勧めていることについてコメントを発表した。BRCA1/2はDNAの修復に関与する遺伝子なので、この変異を持つ人は放射線の感受性が高い可能性がある。従って若い。BRCA1/2キャリアのマンモグラフィースクリーニングはメリットがリスクを上回らない可能性がある。一部の国では30前の女性はマンモグラフィーをしないように助言してさえいる。

(変異が無くてもむやみに検診すればいいってものではない
こういうのは馬鹿なこと
テレビ局は無責任
http://www.tbs.co.jp/hanayomecaravan/caravan/opinion.html)