食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他ニュース等

  • フライドポテトの化学物質を減らす努力は低調

Natureニュース
Bid to curb fried-food chemical goes cold
Katharine Sanderson
30 October 2012
http://www.nature.com/news/bid-to-curb-fried-food-chemical-goes-cold-1.11688
ヨーロッパの食品中のアクリルアミド濃度はまだ高すぎる、と報告書は言う
ローストコーヒーの豊かな香りや黄金色のフライドポテトは食欲をそそる。しかしこれらに魅力的な味を与える高温調理は同時にヒトで発がん性である可能性が高いアクリルアミドも作り出す。
2002年にスウェーデンの科学者が広範な焼いたり揚げたりした食品から心配な量のアクリルアミドを発見した。このことにより成分や調理法の変更などによる国際的な削減努力が始まった。10年が経ち、EFSAの報告書ではこれらの努力が行き詰まっていることを示唆している。
スウェーデンの発見からまもなくしてメイラード反応の副産物としてのアクリルアミドの生成メカニズムが発見された。さらに何万人もの人々の参加した疫学研究が行われたが多くの場合アクリルアミドとヒトがんの関連はネガティブだった。2007年にオランダの2600人の女性の参加した研究で、1日あたり40 microgのアクリルアミドを食べると、10 microg程度の場合に比べて子宮と卵巣のがんになるリスクが喫煙経験のない女性で2倍になることが発見された。そして先月妊娠中にアクリルアミドの多い食品を食べた女性の赤ちゃんが小さい傾向にあることが示された。
アクリルアミドの危険性は不確実であるがヨーロッパの規制担当者や食品業者は対応することにした。2005年以降企業団体FoodDrinkEuropeは「ツールボックス」戦略によりアクリルアミドの含量を下げるための努力を助けてきた。このグループの食品政策指導者であるBeate Kettlitzによれば、ヨーロッパの大から中規模企業の90%は糖の少ないジャガイモの品種を使いフライドポテトの調理時間をコントロールしている。
2007年に欧州委員会がEFSAにアクリルアミドの食品中含量データを毎年集めるように求め、先週2007-2010年の変化を示す最新の結果が報告された。一部の食品では減少したが逆に増えたものもあり、全体としては6-17%の食品カテゴリーで「懸念の指標となる値」を超過していた。
EUは世界で一番アクリルアミドの問題に深刻に対応している。米国FDAは企業にデータを求めてはいるものの2006年以降定期的データ収集はしていない。

  • ハリケーンSandyが気候に関する議論に拍車をかける

Hurricane Sandy spins up climate discussion
Jeff Tollefson 30 October 2012
http://www.nature.com/news/hurricane-sandy-spins-up-climate-discussion-1.11706
米国を襲ったSandyについて。地球温暖化との関連はあるのかどうかも含めて背景を探る。

  • どのくらいのカフェインをとると死ぬのか?

FYI: How Much Caffeine Would It Take To Kill You?
By Sam EiflingPosted 10.29.2012
http://www.popsci.com/science/article/2012-10/fyi-how-much-caffeine-would-it-take-kill-you
14才の少女の死亡に関する裁判がカフェインをどれだけとればとりすぎになるのか、他にどんな要因が関与するのかについての新しい疑問を投げかける
Monsterエネルギードリンクのメーカーに対する裁判で検視官の報告では「カフェイン中毒」が死亡原因とされている。しかしカフェインの致死量はどのくらいなのだろうか?
答えるのは難しい−理由の一つは滅多に起こらないことであるが確かにある。Journal of Caffeine Researchの編集長であるJack Jamesは、成人で過剰摂取になるのは概ね10gと言っている。2005年のForensic Science International の記事ではニューメキシコでの2例の致死的カフェイン過剰摂取を報告していて数値は5g程度である。普通のコーヒーに含まれるカフェインによる血中カフェイン濃度増加の100倍程度である。
本当のカフェイン中毒による死亡が珍しいのなら、どうしてここ数年の10名程度の死亡原因としてカフェインが非難されているのか?アルコールや心疾患などの他の要因と一緒に働くからであろう。

  • 魚摂取、長鎖オメガ3脂肪酸、と脳血管系疾患リスク:系統的レビューとメタ解析

Association between fish consumption, long chain omega 3 fatty acids, and risk of cerebrovascular disease: systematic review and meta-analysis
Rajiv Chowdhury et al.,
BMJ2012;345:e6698
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e6698
魚を食べることと長鎖オメガ3脂肪酸と脳血管系疾患リスクには弱い逆相関がある。観察試験のバイオマーカーとして測定された血中長鎖オメガ3脂肪酸や一次または二次予防のためのサプリメント試験では脳血管疾患との関連は見られない。魚を食べることの脳血管疾患リスクへのメリットは魚に含まれる多様な成分の相互作用によるものである可能性が高い。

  • 虚偽の幹細胞報道をした日本の新聞が訂正

ScienceInsider
Japanese Paper That Fell For False Stem Cell Claim Takes Corrective Action
byDennis Normile on 30 October 2012
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/10/japanese-paper-that-fell-for-fal.html?ref=hp
Yomiuri Shimbunが10月26日に日本語で、Daily Yomiuriは10月27日に誤報検証記事を発表した。