食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 赤毛色素は皮膚がんリスクを高める

Natureニュース
Redhead pigment boosts skin-cancer risk
Kerri Smith
31 October 2012
http://www.nature.com/news/redhead-pigment-boosts-skin-cancer-risk-1.11711
ジンジャーマウスは紫外線が無くても悪性黒色腫になりやすい
皮膚の色が薄く赤毛の人々は、日焼けや肌の老化、皮膚がんなどの日光のUVによる傷害をうけやすいことは知られている。しかし本日Natureに発表された論文では、マウスではこの発色に関与する色素が悪性黒色腫の発生に関与することを示唆する。
つまりUVを避けるだけでは十分ではない可能性がある。
肌の色が濃い人たちと違い、皮膚の色が薄くそばかすが多く赤毛の人たちはメラニンとは違う色素を作る。この赤−黄色いフェオメラニンと呼ばれる形態は、より濃い色の皮膚の人の持つユーメラニンより皮膚をUV傷害から守る作用が弱い。この違いはMC1Rという遺伝子の突然変異による。
しかし何年も前から赤毛の人の悪性黒色腫はUVだけでは説明できないことが示唆されていた。Massachusetts General Hospital のDavid Fisherら研究者らはオリーブ色の皮膚とジンジャー色の皮膚とアルビノのマウスをモデルにして悪性黒色腫の発生を調べた。研究者らはこれらのマウスにUVを照射して悪性黒色腫を作ろうとしたが、実験前にジンジャーマウスの半分が悪性黒色腫になった。Fisherらは驚き、電球などから意図せずUVが出ていたのかどうか調べたが、なかった。この結果は色素そのものが悪性黒色腫の原因であることを示唆する。
これらの結果は日光安全性に関するメッセージを変えるものではない。悪性黒色腫の自然発症が多いわけではない肌の色の薄い人を怖がらせることはない。

Genetic tests: Politics and fetal diagnostics collide
Jaime S. King
Nature Volume:491, Pages:33–34 Date published: (01 November 2012)
より良い規制がなければ、非侵襲的出生前遺伝子診断は米国の反中絶圧力団体の標的になるであろう

  • 新しいインドの科学大臣:GM作物について「科学は明確ではない」

ScienceInsider
New Indian Science Minister: 'Science Is Not Clear' on GM Crops
byPallava Bagla on 31 October 2012
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/10/new-indian-science-minister-scie.html?ref=hp
インドの新しい科学大臣S. Jaipal Reddyはこの国の最も熱い問題の一つであるGM作物には懐疑的アプローチをとりそうだ。月曜日の記者会見でScienceからの質問に、英語学専攻の政治家Reddyは「科学は明確ではない」と言った。裁判中であるためとしてGM作物の採用か拒否かの具体的な質問には答えなかった。
(科学担当大臣が科学者ではないことにがっかりというコメントがついているけれど日本なんていつもそう)

Soft drink intake in relation to incident ischemic heart disease, stroke, and stroke subtypes in Japanese men and women: the Japan Public Health Centre–based study cohort I
Ehab S Eshak, et al.,
Am J Clin Nutr December 2012 ajcn.037903
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2012/10/17/ajcn.112.037903
ソフトドリンクの摂取は女性の総脳卒中と虚血性脳卒中リスクと正の関連。男性では有意差のない負の相関。虚血性心疾患や出血性脳卒中とは関連なし。

アメリカ人(特に規制を導入したNYC)が期待しているほどの大きな差はないようだ−量が違うからだろうけれど
そのうちこっちに出るだろう
http://epi.ncc.go.jp/jphc/index.html

  • よく使われる食品保存料ががんの増殖を遅らせ、停止させすらする

Common food preservative may slow, even stop tumor growth
30-Oct-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-10/uom-cfp103012.php
ナイシンががん細胞のCHAC1というタンパク質を介して細胞の増殖を抑制し細胞死をもたらす、という報告。
vivoではないので別にどうってことないのだけれど食品添加物というところがおもしろいので。サプリメントの根拠なんてこのレベルなので食品添加物のほうが「安全」だしサプリにしてみる?)