食品安全情報blog過去記事

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Séraliniらの研究の結論はデータからは言えない、とEUのリスク評価コミュニティーは言う

Séralini et al. study conclusions not supported by data, says EU risk assessment community
28 November 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/121128.htm
Séraliniらの論文の実験デザインや方法論の重大な欠陥は、これが許容できる科学的水準を満たさないことを意味し、これまでの遺伝子組換えトウモロコシNK603の安全性評価を見なおす必要はない。これがEFSAとEU加盟6か国で別々に独立して行われた評価の結論である。
EFSAは11月28日、Séraliniらの論文の最終評価を発表した。
最終評価では、著者らの結論は科学的根拠があるとはみなされないという初期評価を再確認した。
幅広い意見の一致
EFSAの最終発表はベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダの独立した評価を考慮したものである。これらの評価文書の完全コピーがEFSAの発表の補足として加えられている。

  • Séraliniら (2012a)のFood and Chemical Toxicologyに2012年9月19日にオンライン発表されたGMトウモロコシNK603とグリホサート製剤の齧歯類2年間混餌投与試験の最終レビュー

Final review of the Séralini et al. (2012a) publication on a 2-year rodent feeding study with glyphosate formulations and GM maize NK603 as published online on 19 September 2012 in Food and Chemical Toxicology
EFSA Journal 2012;10(11):2986 [10 pp.].
28 November 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2986.htm

(結局EFSAのデータ要請に回答はしなかったようだ
批判への回答としては雑誌に掲載されたものだけ
Answers to critics: Why there is a long term toxicity due to NK603 Roundup-tolerant genetically modified maize and to a Roundup herbicide
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691512008149
これもほとんど何も答えていない。例えばGM作物を生涯にわたって食べさせる長期試験はこれまでにも報告がありこれが初めてではない、という指摘に対して、死ぬまで観察したのは初めてだ(OECDガイドラインでは2年で終了することになっているので)という回答。小学生の言い逃れみたい。少なくとも何かを明らかにしたくて議論する研究者の態度ではない。詭弁には長けているようだけれど。)