食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース等

  • ヨーロッパにおけるGMO膠着状態

The GMO Stalemate in Europe
Louise O. Fresco
Science 22 February 2013: Vol. 339 no. 6122 p. 883
2012年9月にヨーロッパはフランスのCaen大学の除草剤耐性トウモロコシを食べさせたラットに腫瘍ができたと主張する論文の発表にショックを受けた。この結果は欠陥があると批判されていても、この研究はGMOの本質的危険性を確認したものだと賞賛去れ続けている。EUが農業への遺伝子組換え技術の使用に強く反対することで世界の他の国とは違っている。この反対は過去15年にさらに悪化した。1990年代後半から新しいGM品種の野外試験は減っている。世界のGM栽培国トップ20に入っているEU加盟国はスペインだけである。ヨーロッパ人とその家畜は既に相当量のGM食品を食べている。
ヨーロッパのGMO不信はより広範な科学不信の反映である。同様の態度がシェールガス原子力への不安にも広がっている。皮肉なことは科学によって最も恩恵を受けている世代が最も科学を疑っているということである。ヨーロッパ人は食糧不足や苦労を知らずに近代化以前の過去を美化する傾向がある。このヨーロッパの科学不信は研究開発への投資を妨げ他の地域で有害な影響を与える。アフリカではヨーロッパのNGOが病気に耐えられる作物(例えばキャッサバ)の導入を不必要に遅らせている。ヨーロッパの態度は簡単には変わらないだろう。今年の2014-2020EU共通農業政策更新のための交渉は機会を提供するかもしれない。昨年英国政府が示したような政治的勇気がNGOと生産者と消費者と科学者のイデオロギー的手詰まりを打開できるだろう。

  • ホルモンとしての食品

Food as a Hormone
Science 22 February 2013: Vol. 339 no. 6122 pp. 918-919
Karen K. Ryan, Randy J. Seeley
食品を信号伝達物質(ホルモン)のカクテルとして考えるという見方
(食品成分には直接細胞の信号伝達物質として働くものもある)

  • 利益と流行:タバコ、アルコール、高度加工食品飲料産業の有害影響

Profits and pandemics: prevention of harmful effects of tobacco, alcohol, and ultra-processed food and drink industries
Volume 381, Issue 9867, 23 February–1 March 2013, Pages 670–679
Lancet NCD Action Group
非伝染性疾患(NCD)に関するシリーズ論文5つのうちの4番目
タバコ企業が公衆衛生と両立しないのと同様、食品企業も協力者にはなれないと主張。現在多くの国で企業の自主規制や官民協力戦略が採用されているが、根拠のある方法は規制と介入しかない。

  • 研究:帝王切開で生まれた子どもはアレルギーになるリスクが高い

Study: Babies born by C-section at risk of developing allergies
24-Feb-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-02/hfhs-sbb022113.php
学会発表。帝王切開で生まれた赤ちゃんは自然分娩の赤ちゃんに比べて家庭で犬猫やダニなどのアレルゲンに高濃度暴露された場合にアレルギーになるリスクが5倍。

  • 2012年根拠のない健康恐怖トップ10

ACSH
The Top 10 Unfounded Health Scares of 2012
February 22, 2013
http://www.acsh.org/opinion/the-top-10-unfounded-health-scares-of-2012/
1 & 2 化粧品や学用品のフタル酸
3 & 4 口紅などの鉛
5 カリフォルニアのGMO表示
6 コーラのカラメル色素
7 難燃剤
8. 衣類の「毒素」
9. 香料成分
10. BPAとレシート
それぞれもとの発表や報道の様子などを紹介

  • 磁気治療が注目されている

WellnessLetter
Magnet Therapy Attracts Attention
Berkeley Wellness | February 22, 2013
http://www.berkeleywellness.com/self-care/article/magnet-therapy-attracts-attention
磁石のブレスレットやネックレスで関節炎の痛みが和らぐ?あるいは鬱や不眠やエネルギーを高める、がんに効く?業者は何年にもわたってそのような宣伝をしている。ここにあなたが知っておくべきことを示す。
まず磁石には2種類ある。よくあるのは永久磁石で各種の金属が磁化したものである。一方電磁石は電流が流れたときだけ磁力をもつ。
中略
基本として、関節炎や筋骨格系の痛みに永久磁石がプラセボ以上の効果を持つことはないだろう。他の健康上のメリットがあるという信頼できる根拠はない。一方薬物治療に反応しない鬱の場合には経頭蓋磁気刺激(TMS)を検討してみてもいいがこれは高価で保険はきかないだろう。ペースメーカーなどの金属の埋め込みがある人にとって磁石はリスクとなる可能性がある。

  • Liproxenolレビュー:購入者は怪しい科学と宣伝に注意すべき

Liproxenol Review: Buyer Beware of Questionable Science and Marketing
Bill Sukala,PhD | February 9, 2013
http://www.drbillofhealth.com/health-watchdog/liproxenol-review-buyer-beware-of-questionable-science-and-marketing/
Google Adsenseが宣伝していたLiproxenolについて調べてみた、という記事。
体験談の写真が別の製品の宣伝と全く同じ(名前だけ変えてある)とか、違うサイトに見せかけてたくさんのスパムサイトを作っているとか
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