食品安全情報blog過去記事

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政策作成に科学を使う−Peter Gluckman卿

SMC
Using science in policy formation – Sir Peter Gluckman
February 27th, 2013.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2013/02/27/using-science-in-policy-formation-sir-peter-gluckman/
ニュージーランド行政研究所(IPANZ)が、先週Te Papaでの講義に首相の主任科学助言者Peter Gluckman卿を招いた。彼の講義のタイトルは「政策作成における根拠のコミュニケーションと利用:科学の利用と誤用」である。
スピーチの内容は以下から
http://www.pmcsa.org.nz/wp-content/uploads/13-02-21-Communicating-and-using-evidence-in-policy-formation.pdf
一部抜粋
善意によるものであっても、政策立案に関わる人たちと科学(社会科学や技術を含む)に関わる人たちの間には文化や態度の違いによる緊張が生じることが避けられない。文化の違いのため、政策立案には全く異なる理解が存在する。科学者は彼らの知っていることの利用可能性を過剰推定しがちだし、政策立案者は彼らが知らないことを過小に見積もりがちである。これらが政策論争の浅薄さや政治的論争の引き金となり選択肢を狭める可能性がある。民間や公立のシンクタンクがこれらの障害を打ち破るのに使われる国もあるが、ニュージーランドではそのようなアプローチは使えないだろう。より広い意味で、参加型民主主義により政策の立案や履行、評価のプロセスに客観的証拠をより良く用いる方法を探している。しかし政策決定に世論や逸話や政治的プロセスが大きく影響するため、根拠の誤解や間違った提示が意図的・非意図的に政策決定をゆがめる問題がある。これには二つの意味があって、一つは社会が科学や技術の知見をどうやって理解するかが参加型民主主義にとっては極めて重要であること、二番目は政策決定における根拠の役割を議論する際にも間違った科学の理解やコミュニケーションがどういう結果をもたらすかを知る必要がある。科学はあまりにもしばしば誤解され、誤用され、過剰宣伝され過小評価されている−時にはそうでないものが確立された科学であるかのように提示され、時には科学のコンセンサスを受け入れるのが推進者にとって適切でないことがある。全ての詳細が明らかでない、あるいは細部について議論がある場合でも科学的見解が確立できる場合がある。ダーウィンの進化論やクライストチャーチ地震の起源の理解などが例である。
(本文の次の段落
「気候変動や遺伝子組換え、フラッキング、食品安全などの議論では、科学的コンセンサスは社会的コンセンサスとは違って、声の大きさや交渉による譲歩とは関係ない」)