食品安全情報blog過去記事

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フタル酸エステル類(phthalates)の人体暴露、全年齢にわたって安全なレベル!

危害分析研究科 2013.02.26
http://www.kfda.go.kr/index.kfda?mid=56&pageNo=1&seq=19786&cmd=v
食品医薬品安全庁食品医薬品安全評価院は韓国民のフタル酸類人体暴露量を評価した結果, 全年齢で安全な水準であり食品など(健康機能食品, 漢方薬)からの暴露量も非常に少ないと発表した.
※フタル酸類: PVC プラスチック可塑剤として工業用及び生活用品などに使われている
※種類 : フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP), フタル酸ジブチル(DBP), フタル酸ベンジルブチル(BBP), アジピン酸ジエチルヘキシル (DEHA) など
この調査は去年我が国の全年齢相(0~83歳)の国民 2,491人を対象に尿中でフタル酸(DEHP) 代謝物濃度を測定して暴露量を推定し、 調査対象者が摂取した食品, 健康機能食品及び漢方薬膳所のフタル酸含有量分析により寄与度を分析したものである。
※DEHPは 24時間後約 70%が尿中に排出される
〈成人のフタル酸暴露量量, ‘10年より大きく減った〉
韓国国民のフタル酸(DEHP) 平均一日暴露量は 10.1ug/kgbw/dayで許容量(TDI, 50ug/kgbw/day)の 5分の 1 水準で非常に安全だった.
※耐容一日摂取量(Tolerable Daily Intake, TDI) : 環境汚染物質などのように食品に非意図的に混入される物質に対して一生の間摂取しても健康に有害な影響が現われないと判断される量
年令別では大人(19-83歳, 6.3ug/kgbw/day)に比べて幼児(満0-3歳, 15.8ug/kgbw/day)と児童及び青少年(4-18歳, 12.5ug/kgbw/day)の DEHP 暴露量が相対的に多かったが, それでもTDIの 31.7%, 25.1%, 12.6%で安全な水準だった.
特に, 大人の DEHP 暴露量は ‘10年(16ug/kgbw/day)の 40%の 6.3ug/kgbw/dayで、 2年前より大きく減少した.
DBP 暴露量は 1.8ug/kgbw/day, BBPは 0.3ug/kgbw/dayで人体暴露量に大きく影響を与えない。
〈食品, 漢方薬などからのフタル酸暴露量は非常に少ない〉
調査対象者の食生活調査で確認された食品(41個品目, 676 件), 漢方薬、 健康機能食品のフタル酸類含有量を調査した結果, 主に DEHPが検出され、その他のフタル酸類(DBP, BBP, DEHA)は検出されないあるいは非常にわずかな量検出された.
※ 食品中で DEHP モニタリング結果(mg/kg) : 油脂, 豚肉加工品(ハム, ソーセージ) など脂肪が多い食品や塩分が高いキムチやコチュジャン, みそ、醤油類で主に検出される
食品, 漢方薬, 健康機能食品からの DEHP 暴露量はそれぞれ 8.6%, 0.03%, 0.003%で食品などからのフタル酸類暴露の寄与度は非常に低いと分析された。