食品安全情報blog過去記事

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アフラトキシン、トウモロコシ、ミルク EU

Aflatoxin, maize, milk – EU
2013-03-25
http://www.promedmail.org/direct.php?id=20130325.1601564
[1] Germany ex Serbia 
Date: 7 Mar 2013 Source: The Local [edited]
ドイツ西部の農場由来ミルクに高濃度アフラトキシンが検出された。当局はセルビアから輸入した飼料の汚染を疑っている。汚染源のセルビアから輸入された1万トンのトウモロコシはLower Saxonyの3560の農場に配達されそのうち938が酪農である。
[2] Serbia 
14 Mar 2013 Source: b92 [edited]
農業大臣Goran Knezevicはアフラトキシン問題に愕然としている。Knezevic大臣はこの問題は3つの圧力団体によるものだと非難している、「有害なトウモロコシ」で儲けようとする輸入業者と、GMOの推進者と、農村や農家に問題をおこしたい一部の人たち。
[3] Serbia  
7 Mar 2013 Source: B92 [edited]
ミルク検体の69.75%のアフラトキシン濃度が高かったという分析結果を受けて、農業大臣は規制の変更を始めた。
セルビアやバルカン西部諸国の乳製品のアフラトキシン濃度が高いことは2月半ばに発見された。セルビア政府は「ミルク生産業者を守るために」ミルク中のアフラトキシン規制値を0.05microg/kg(EU規制値)から0.5 microg/kgに引き上げた。農業大臣はこれを数日以内に元に戻して「徐々に履行」することを検討するとした。農業大臣は販売されているミルクは安全で、アフラトキシン問題は政治的なものだと繰り返している。
[4] Netherlands ex Romania, Serbia, Hungary
22 Mar 2013 Source: Blackseagrain
ルーマニアとオランダでもミルクにアフラトキシンが検出された。オランダ農業団体は地元のトウモロコシや飼料を使わないように警告している。アフラトキシンは家畜にとって致死的でヒトや動物の発がん物質であると考えられている。昨夏のような熱く乾燥した夏にはアフラトキシン濃度が高くなる。オランダの食料保障機関NVWAはルーマニアセルビアから輸入した飼料の高濃度アフラトキシンを検出している。一方ルーマニア当局は地元とハンガリーセルビアのミルクのアフラトキシンを検出している。ハンガリー産の飼料からも高濃度アフラトキシンが検出されている。
[5] Europe
Date: 14 Mar 2013 Source: Romer Labs [edited]
欧州委員会のRASFFはヨーロッパ産のトウモロコシのアフラトキシンB1について2012年秋以来10件の通知を報告している。2001年から2011年の10年間でトウモロコシのアフラトキシンは合計で9件だった。これまでアフラトキシンは主に「輸入品の問題」だった。しかし地球温暖化でかび毒はヨーロッパに進出している。ヨーロッパ南部はAspergillusの増殖に好ましい条件になり、将来ヨーロッパ域内産のアフラトキシンが問題となるだろう。食品や飼料産業はこの新しい問題に取り組むためのリスク管理を採用しなければならない。汚染トウモロコシはヨーロッパ南部のブルガリアギリシャルーマニアセルビア、イタリアに由来する。アフラトキシンB1の平均濃度は59.28 ppbセルビア産のものが最大で204ppbであり、飼料中の最大許容量の10倍である。EUの飼料中アフラトキシンB1規制値は20ppbであるが食品では5ppbである。
アフラトキシンB1は地球上に存在する最も強力な発がん物質の一つで、例えば農薬より100倍は毒性が高い。アルゼンチンやブラジル、米国のような主要トウモロコシ輸出国はアフラトキシンのリスクを管理するためのシステムを開発してきた。ヨーロッパもこれらを参考に新しいシステムを採用すべきである。
セルビアの農業大臣は全くダメだということがわかった)