食品安全情報blog過去記事

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ペット(PET)ボトル、これが知りたいです!

添加物基準課 2013.04.16
http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=56&pageNo=1&seq=20148&cmd=v
食品医薬品安全庁は軽く割れにくく炭酸飲料などに多く使われているペット(PET)ボトルについて消費者に正しい情報を提供しようと Q&A 形式の ‘ペット(PET)ボトルについて調べましょう!’を製作してホームページに載せると発表した.
※ ペット(PET) : ポリエチレンテレフタルレート(poly(ethyleneterephthalate))の略称でテレフタル酸またはテレフタル酸メチルエステルとエチレングリコールを重合して作ったプラスチックの一種
今回のQ&A の主要内容は ▲ペットボトル関連注意事項 ▲ペットボトル管理基準などである
〈ペットボトル関連注意事項〉
ペットボトルは一回使用を目的に作られた製品なのでなるべく再利用しないほうが良い.
使用済みペットボトルを再利用しても有害物質は溶出しないが、通常入口が狭い形態であるペットボトルはきれいに洗浄・乾燥しにくいため微生物汚染の可能性がある.
ペットボトルにお湯を入れると白くなったり潰れたりする場合があるがこれは製造時に熱処理をしているかどうかで現われる現象で有害物質溶出とは違う
食品用ペットボトルは製造時に熱処理されているかどうかで異なるが熱処理工程がない炭酸飲料や水の場合約 55℃ 以上では白化や潰れるなど物理的変形が起きる.
一方, 熱処理したオレンジ瓶は 90℃ 位のお湯を入れても容器の変形がおこらない.
時々ペットボトルの字が潰れたように見える場合があるが, これは収縮ラベル使用による現象で製品品質とは無関係である。 ペットボトルのリサイクルがしやすいようにペット(PET)やポリスチレン(PS) 材質の収縮ラベルを使うと容器のデザインによって凹凸がある部分で字が収縮されることがある.
〈ペットボトル管理基準〉
ペットボトル安全管理はペット材質から食品に移行される鉛, アンチモンなど有害物質や不純物を管理するために食品衛生法で定めた基準規格を守るようにしている.
※ 鉛: 1ppm以下, 蒸発残留物: 30ppm以下, アンチモン: 0.04ppm以下, 過マンガン酸カリウム消費量: 10ppm以下など
ペットボトルのふた(ライナー(liner) 含む)は主にポリエチレン(PE) またはポリプロピレン(PP) 材質で, これにも食品に移行する恐れある有害物質などに対する基準•規格を用意して管理している.
※ 鉛: 1ppm以下, 過マンガン酸カリウム消費量: 10ppm以下, 蒸発残留物: 30ppm以下など
またペットボトルは内分泌かく乱推定物質が検出されるはずだという消費者の認識とは違い、ペット(PET) 製造時 DEHPやビスフェノールAは原料に使われないので検出される恐れがない.
※ DEHP : di-(2-ethylhexyl)phthalate:プラスチック製品を柔軟にさせるための可塑剤
ビスフェノールA : ポリカーボネート(PC), エポキシ樹脂(epoxy resin) 製造時使われる物質
食薬庁はこの情報で消費者のペットボトルに対する知りたい事を解消して正しい情報を得る機会になるのを期待すると発表した.
詳しい内容はホームページ(http://www.mfds.go.kr>情報資料>容器包装情報)で確認することができる