食品安全情報blog過去記事

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リスク評価をリスク管理にとってより適切なものにするために

Making Risk Assessment More Relevant for Risk Management
SCHER SCENIHR SCCS
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_130.pdf
SCHERとSCENIHRとSCCSの共同作業委員会が、現在のリスク評価についてレビューし、リスク管理者や政策決定者がリスク評価から必要とするものは何かを探り、最良の科学に基づいて一貫して透明で解釈やコミュニケーションしやすい情報を提供できるリスク評価とを提供するための方法を探った。このレビューが行われたのは現在実施されているリスク評価がリスク評価者にとって望ましい対策を行うための情報を提供していないのではないかという認識に基づく。既に正式の規制枠組みにより統治されていないリスク評価に焦点を絞って提案した。主な結論としては
リスク管理者や政策決定者への調査からもたらされた重要な二つのメッセージは、リスク評価の結論は政策や管理にとってより適切なものである必要がある、ということとそれは対話を促進することによってもたらされるはず、ということである。
・管理についての決定は、介入によるヒト健康や環境への利益と岸絵による経済影響のトレードオフを背景になされるので、「管理にとって適切な」リスク評価にはこれらのコスト/ベネフィット解析についても情報が必要である。
・ヒトや環境といった異なるものへの影響を比較することが必要になる統合リスク評価でも同様の問題がある。そのような比較は人々の嗜好などをもとに重み付けをすることによってのみ可能で、リスク評価の結果は経済評価と比較可能である必要がある
・科学委員会は、社会経済解析とリスク評価との関連の必要性について相当な混乱があり、リスク評価をより有用なものにするためには、通常のリスクキャラクタリゼーションでしばしば使われている技術的代理指標ではなくヒトや環境に与える価値観に関連した用語で表現されるべきであると結論した。
・そのように変えるためには、科学委員会はリスク評価者と社会経済学者の対話を薦める。それぞれの役割についてはしばしば混乱が見られる。リスク評価と社会経済影響評価は別々ではあるが対話しながら平行して行われるべきである。
他不確実性を表現することとか全ての選択肢を考慮し費用対効果を考えるなど
例えば鉛によるIQ低下ではIQ低下による生涯所得の減少が社会経済学的検討項目になる。
(何のためにリスク評価をするのか、を忘れちゃいけない。食品安全委員会の人たちは真剣にこの報告書読んだ方がいい。特に趣味に走りがちな大学の先生)