食品安全情報blog過去記事

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妊娠中の化学物質についての異論のある助言

Behind the headlines
Controversial advice on chemicals in pregnancy
Wednesday June 5 2013
http://www.nhs.uk/news/2013/06June/Pages/Controversial-advice-on-chemicals-in-pregnancy.aspx
Daily Mailが家庭用化学物質が子どもの脅威になる可能性があると妊娠女性に警告した。Mailは子ども部屋を塗り替えるな、くっつかないフライパンを使うな、と続ける。このニュースは英国産婦人科学会(RCOG)による妊娠または授乳中の女性向けの助言に基づく。この報告書は妊娠または授乳中の女性が、食品の包装や日常に使う家庭用品、医薬品、保湿剤などのパーソナルケア用品などから有害な化学物質に暴露される可能性があると警告している。重要なのは、この助言が安全第一アプローチによるものだということである。これらが出産に悪い影響があるという信頼できる根拠はない。これらのリスクを評価することは難しいため、不確実性が非常に大きい。日用品由来の化学物質にはほぼ全ての女性が暴露されているためである。この報告では有害な可能性のある化学物質を避けるためにできることとして家具やフライパンを買わないなどの助言を行っている。しかしながらこれらの助言にはほとんど根拠がない。この報告書では女性に対して「安全第一」で、リスクが小さいあるいは有害でないことが証明されていてもリスクがあるとみなすことを勧めている。一方でこの報告書は女性に対して暴露を避けるのが困難であるため何もしないことも選択肢の一つだと言っている。
この助言は一部から、化学物質暴露による机上の、証明されていないリスクより妊娠中のストレスのほうが害が大きいとして批判を呼んでいる
重要なのは喫煙・飲酒・薬物・一部の医薬品・レバーのような一部の食品といった確立されたリスクを忘れないこと。