食品安全情報blog過去記事

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世界初の培養ビーフバーガー−専門家の反応

SMC
World’s first cultured beef burger – experts respond
August 6th, 2013.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2013/08/06/worlds-first-cultured-beef-burger-experts-respond/
マーストリヒト大学のMark Post教授が世界初の培養ビーフバーガーをロンドンで発表した。約200人の大学や報道関係者の前でフライパンで調理するライブイベントとして発表された。
調理や味についての報告は以下
http://culturedbeef.net/event/
英国SMCが以下のコメントを集めた
リバプール大学臨床エンジニアリングユニット長John Hunt教授
実験室で肉を作るという概念の現実化ではあるが商業的には競争力はない
オックスフォード大学実践倫理学教授Julian Savulescu
動物を殺さずに済む人工肉は科学と倫理の勝利である
ロンドン大学再生医療教授Chris Mason
人工肉の技術は再生医療と共通
食品研究財団上級微生物学者Sandra Stringer博
人工肉が普通の肉より安全でないという理由はない。微生物汚染はない
カージフ大学ゲノミクスの社会経済的側面についてのセンターのNeil Stephens教
人工肉はまだ小規模で初期段階であり、この分野の研究者は資金を求めている。課題は多い。
マンチェスター大学社会倫理政策センター生命倫理学者Iain Brassington教授
畜産は倫理的にも環境破壊でも問題があり、人工肉はその課題を解決する可能性がある
FSA
新規食品担当部門として、FSAは新興技術について監視し続けている。培養肉はまだ市場に出る段階ではないが、新規食品は全て市販前に安全性評価を受ける。培養肉の認可を求める場合にはその製品が安全で栄養学的に既存の肉製品と同等で消費者を誤解させないことを示す根拠を提出しなければならない。これまで人工肉の認可申請は提出されていない。

  • 最初の人工バーガーにはあまり熱気はなかった、億万長者の資本家が明らかになった

ScienceNOW
First Artificial Burger Gets Tepid Reviews, Billionaire Financier Unmasked
2013-08-05
http://news.sciencemag.org/technology/2013/08/first-artificial-burger-gets-tepid-reviews-billionaire-financier-unmasked
オーストリアの食品トレンド研究者Hanni Rützlerによると世界初の人工バーガーは「肉に近い。ジューシーではない。」味付けもされず脂肪も含まないため思っていたより堅い。
この研究プロジェクト375000ドルを提供したのはGoogleの共同設立者Sergey Brinであった。もとの細胞は屠畜場でとったもので、細胞の培養には抗生物質を使い、培地にはウシ胎仔血清が使われている。テクスチャーを改善するためパン粉と結着剤を使っている。また細胞はミオグロビンを含まないので白く見えるためビートルートジュース、サフロン、カラメル色素を使った。
動物愛護団体PETAが支持しているようだ。日本には特に新規食品の許認可制度はないからこういうのはどうするのかな・・動物愛護のための菜食主義がそれほど流行してないし高くて美味しくないのでは売れそうにないけれど)