食品安全情報blog過去記事

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ASRM/ ASRM委員会の化学物質と妊娠に関する意見についての専門家の反応

expert reaction to ASRM/ACOG committee opinion on chemicals and pregnancy
September 23, 2013
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-asrmacog-committee-opinion-on-chemicals-and-pregnancy/
米国産科婦人科学会ASRMと米国生殖医学会ASRMの委員会が、生殖能力や妊娠に有害影響を与える可能性のある環境中の有害化合物についての意見書を発表した。
シェフィールド大学生殖専門家Allan Pacey博士
発達中の胎児を不適切な化学物質の暴露から守ることはとても重要であるが、同時に有害影響があるという確たる証拠もない物質への理論的暴露について妊娠女性を怖がらせて心配させたりしないことも大変重要である。人工の化学物質に全く触れることのない人生を送るのは不可能だし、科学的研究課題とし続ける必要はあるが、妊娠中あるいは妊娠を計画している女性は、心配なことがあったらどんなことでも主治医に相談するように。

問題の意見は以下
Committee Opinion
Number 575, October 2013
The American College of Obstetricians and Gynecologists Committee on Health Care for Underserved Women
American Society for Reproductive Medicine Practice Committee
http://www.acog.org/Resources_And_Publications/Committee_Opinions/Committee_on_Health_Care_for_Underserved_Women/Exposure_to_Toxic_Environmental_Agents
妊娠前後から周産期の環境中有害物質暴露で、生まれてくる子どもに一生に渡る有害影響が出るとしている。対象は農薬や家庭用品などあらゆるもの。妊娠する前から食べものはオーガニックにして缶詰や容器に入っているものを避け、ファストフードや加工食品を食べず動物脂肪と大きい魚を避ける(缶詰やめろと言いつつツナ缶は薦めている)、などを例に挙げている。
(内分泌学会と重なる部分が大きいからだろう、内分泌撹乱物質に関する論争に影響されているものと思われる。人体中の化学物質の総量を減らせ(痩せろという意味ではないらしい)という主張は科学者とは思えない。
しかし強調しておきたいことは、赤ちゃんになんらかの病気や異常(小さい異常はほぼ全ての子どもにある)があったとしてもそれが全て母親のこころがけのせいだということはない。子どもを産むのも育てるのも、パーフェクトでなければダメなんてことは絶対無い。)