食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ヨーロッパにおける子ども虐待:公衆衛生アプローチをとる

Lancetエディトリアル
Child maltreatment in Europe: taking a public health approach
The Lancet, Volume 382, Issue 9898, 28 September–4 October 2013, Pages 1072
21世紀のイングランドで、どうして子どもが餓死したのか?4才の息子のネグレクトによる餓死の裁判でそう問われた。残念ながらWHOヨーロッパによる最新報告ではヨーロッパでは1800万人の18才未満の子どもが虐待に苦しみ、毎年少なくとも850人の15才以下の子どもが虐待により死亡している。9.6%が性的虐待(女の子の13•4% 男の子の5•7% )、22.9%が身体的、29.1%が精神的虐待である。健康影響は重大で、子ども時代の虐待は鬱や不安、摂食障害自傷、違法薬物使用などの精神衛生不良につながる。子ども虐待による損失は非常に大きい。この報告書では公衆衛生アプローチにより虐待の多くが予防できると主張している。たとえばリスクの高い家族への早期介入が有効であることに科学的根拠がある。
(一方日本では支援するどころか母親失格と懲罰を与えて満足する)

  • Choosing Wisely(医師や患者などに不必要な検査について再考を促すための情報を提供している)

医師と患者が疑問をもつべき5つのこと
Five Things Physicians and Patients Should Question
American College of Medical Toxicology and The American Academy of Clinical Toxicology
http://www.choosingwisely.org/doctor-patient-lists/american-college-of-medical-toxicology-and-the-american-academy-of-clinical-toxicology/
1. 病気の治療や健康のためにホメオパシー治療薬、ビタミンではないダイエタリーサプリメント、ハーブサプリメントを使わない
2. 「誘発」尿検査として行われている尿中金属検査の前にキレート剤を投与しない
3. 過剰の金属暴露がない場合の非特異的症状に重金属スクリーニングはしない
4. 適切に診断された金属中毒の場合を除きキレート療法は薦めない
5. 水銀を含む歯のアマルガムを除去しない

American Academy of Family Physicians
http://www.choosingwisely.org/doctor-patient-lists/american-academy-of-family-physicians/
1.特に警戒すべき兆候がない腰痛には最初の6週間画像診断をしない
など
他一般内科学会の、健康で何の症状もない成人の定期健康診断は薦めない、余命10年未満の人のがん検診は薦めない、などいろいろあるので参照。

  • キレート療法を行っている医師への規制対応

Regulatory Actions against Chelation Therapists
Stephen Barrett, M.D.
September 25, 2013.
http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/chelationreg.html
これまで懲戒や免許剥奪などの行政処分を受けたキレート療法医のリスト。
100人になりそうな勢い。

  • 「生物学的同等」ホルモン療法を避ける

PharmWatch
Steer Clear of "Bioidentical" Hormone Therapy
Stephen Barrett, M.D.
This article was revised on September 28, 2013.
http://www.pharmwatch.org/strategy/bioidentical.shtml
調剤薬局で提供されている「生物学的に同等なホルモン」に注意。唾液検査をして「処方」されることが多いが一部標準的でない医療行為を行っている場合がある
(米国の「調剤薬局」は近年大きく拡大してきていて、小規模製薬工場並みに医薬品を作って販売しているところがある。製薬企業はFDAの監督下にあるが調剤薬局は州政府の監督で質が低いことがあり、髄膜炎のアウトブレークで注目された。日本の場合「漢方薬局」と称して妙な診断をして医薬品として認められていないものを販売しているところがある
What Are Compounding Pharmacies?
http://www.webmd.com/brain/news/20121010/what-are-compounding-pharmacies

CSPI
Removing Soda from Kids' Meals Among McDonald's Improvements
September 26, 2013
http://www.cspinet.org/new/201309261.html
McDonald's, Alliance for Healthier Generation, Misled Public and Media Re: Soda and Happy Meals
September 27, 2013
http://www.cspinet.org/new/201309271.html
(ここからリンクされているマクドナルドのプレスリリースに(秘)ってある)
マクドナルドが子ども用メニューから炭酸飲料を排除した、というニュースの後、売ることもあるという点をCSPIが批判している。
(選択肢があるのに「水、ミルク、ジュースのみを薦める」と宣伝していることが許せない、ようだ。ちなみにマクドナルドはフライドポテトを野菜や果物に変更できるようにするとも発表している。日本ではコーンが選択できたような。)

  • Facebook で窒息の恐怖が拡散したためColesが紙おむつをリコール

オーストラリア
Coles recalls nappies after choking fears spread on Facebook
September 27, 2013
http://www.watoday.com.au/baby/baby-products/coles-recalls-nappies-after-choking-fears-spread-on-facebook-20130928-2ukg5.html
Alexandra Mayockが10ヶ月の娘のLilyが綿のようなものを口にしているのを発見してそれがほつれた紙おむつに由来するものだとわかってFacebookに写真と警告"HUGE WARNING TO ALL PARENTS/CARERS!"をアップした。それが瞬く間に拡散し(24時間以内に35000シェア)小売り大手Colesは回収することになった。