食品安全情報blog過去記事

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その他

Natureニュースblog
Toxicologist denies wrong-doing in asbestos case
08 Oct 2013 | 18:06 BST | Posted by Richard Van Noorden
http://blogs.nature.com/news/2013/10/toxicologist-denies-wrong-doing-in-asbestos-case.html
米国裁判所で、アスベストについての研究が詐欺幇助に使われたと疑われている著名な毒性学者が、利益相反非開示の批判について答えた。英国エジンバラ大学の名誉教授Ken Donaldsonは善意でアスベストの研究を行ったが、関連企業Georgia-Pacificからコンサルタント料を別に受け取っていたことを注記しなかったことで「ナイーヴ」であった。彼はその時はその研究がGeorgia-Pacificの弁護士によりアスベストによるがんの裁判での戦いに使われる計画があったことは知らなかった、と述べた。
論文には研究資金を提供したのがGeorgia-Pacificであることは記載してあったが、別にお金をもらっていることは注記していなかった。
(ほかいろいろ)

ScienceShot: Where Should I Drink My Whiskey?
8 October 2013
http://news.sciencemag.org/brain-behavior/2013/10/scienceshot-where-should-i-drink-my-whiskey
ウイスキーを飲む環境がウイスキーの風味の感じ方に影響し、好みの程度まで変える、という研究がFlavourに発表された。400人以上にスコッチウイスキーを3つの環境で味見してもらった。ウイスキーの特徴である芳香の青臭さ、味わいの甘さ、後味の木の香り、に対応する部屋をプロの調香士がデザインした。そして味見した人は、同じウイスキーを飲んでいることを知っていても、植物に囲まれた芝生の上ではより青臭いと、ベリーの甘い香りの前ではより甘いと、木製パネルに囲まれてぱちぱちと火のはじける音を聞いている時にはより木の香りが強いと判断した。さらに人々は「木の部屋」で飲むウイスキーが一番好きと報告した。

コクランライブラリー
Chinese herbal medicine for atopic eczema
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD008642.pub2/abstract
アトピー性皮膚炎に漢方を使うことが広がっている。2004年のコクランレビューではメリットがある可能性があるかもしれないという幾分かの根拠があるが結論を出せないとしていた。その更新。多くの試験でバイアスのリスクが大きく、漢方についてのポジティブな結果には注意が必要である。経口でも局所でも結論は出せない。
(「アトピー性皮膚炎に漢方」で検索するとたくさん出てくるけれどステロイドなどの医薬品を忌避するものには注意)

  • その健康アプリを信じている?

Trust That Health App?
By Keng Lam October 07, 2013
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/trust-health-app
大学でエンジニアリングのコースを学んでいて、多くのクラスメートがモバイルアプリ関連のインターンシップや起業に関与していることに気がついた。この新興分野への関心が高いことは驚くべきことではないが、気になったのはそれらのアプリの多くが何らかの形で健康に関係していたことである。一部の推定によると約4000のモバイルアプリが健康上の懸念に関するものである。一部は単純に歩数から消費カロリーを計算し、別のものは症状を入力すると可能性のある病名を挙げる。中にはバイタルサインを測定したり尿を分析したりするものもある。
しかしこれらのアプリは正確性とプライバシー保護の点で信用できるのだろうか?FDAは多分信用できないだろうと言っている。FDAは最近モバイル医療用アプリについて最終ガイドラインを発表したが、ほとんどのアプリは監視対象外とした。医療器具のアクセサリやモバイル端末を医療機器として使う場合といったリスクの高いもののみレビューした。
このガイドライン発表に先だってFDAは既に一部のモバイルアプリを規制し始めていた。尿検査紙の色を解析するアプリはクラス1医療機器としてFDAの認可が必要とされた。私は、患者のデータを集めたり解釈したりする装置やアプリにはより厳格な精査が必要だというFDAの意向に合意する。質の低い不正確なアプリは危険であるから。
私は禁煙プログラムのような健康用のアプリは健康に役立つと信じるが、同時にモバイルアプリの開発者は製品を発表する前に必要なことを知っていて欲しい。
もしあなたが健康アプリを使っているのなら三つの助言がある
・アプリの提供する情報は一部しか信頼できないこと。実際に罹ってもいない病気について心配したり治療したりする必要はない
・他人に自分の健康状態を知らせるのが好きではないなら電話は信用しない。プライバシー保護のためにふさわしい保存場所ではない。
・疑問があれば医師に相談すること。たとえアプリが正確であっても、意味を説明したり次のステップが必要かどうかを助言したりできるのは訓練された医療の専門家のみである。

New Focus on Eye Supplements
Berkeley Wellness | October 08, 2013
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/new-focus-eye-supplements
壊血病やくる病などのような古典的ビタミン欠乏症事例を除くと、ダイエタリーサプリメントが病気の予防や治療に役立つことはほとんど無い。NIHの国立眼研究所が10年以上前に行った加齢性眼疾患研究(AREDS)とよばれる臨床研究が注目されたのはそのためである。この試験では高用量の抗酸化物質(ビタミンCとEとベータカロテン)と亜鉛を含む製剤が、加齢性黄斑変成(AMD)に罹患した人の病気の進行を遅らせることを見いだした。それ以降、目の専門家はAMD患者に「AREDS処方」を薦めてきた。
しかしこの処方に他の成分を加えたらもっと有効なのではないか、一部を取り除いたり加えたりしたら安全性が高くなるのではないかという疑問があり、それに答えるべく5月に待望のフォローアップ研究、AREDS2が発表された。
JAMAに発表されたこの大規模な新しい試験は、オリジナルのAREDS処方にオメガ3脂肪酸ルテインとゼアキサンチンの添加及びベータカロテンまたは亜鉛の削減の影響を調べた。何故こうした変更が行われたかというと、オメガ3脂肪酸はいくつかの観察研究で食事からの摂取量が多いとAMDの発症や進行リスクが低いことが報告されていた。ルテインとゼアキサンチンも食事からの摂取量が多いこととAMDリスクの低さに関連するという報告があった。AREDS2が好ましい結果になることを予想して、製造業者は既に一部の目用の製品にオメガ3やルテイン/ゼアキサンチンを添加していた。
ベータカロテンと亜鉛については、高用量のベータカロテンサプリメントが喫煙者の肺がんリスクを上げることがわかっていたことと高用量の亜鉛が胸焼けを誘発し長期では免疫抑制などの有害影響があることから懸念が提示されていた。亜鉛は銅欠乏性貧血を誘発するため、AREDS処方には銅が含まれていた。
AREDS2では中間的AMDありさらに進行するリスクの高い4000人に、4種類の処方のうち1つを5年間毎日摂取してもらった。4種類は:オリジナルAREDS処方・ベータカロテンを抜いたもの・亜鉛を減らしたもの・ベータカロテンを抜いて亜鉛を減らしたもの、である。さらにルテイン/ゼアキサンチン、オメガ3、ルテイン/ゼアキサンチンプラスオメガ3、プラセボのうちどれかを摂取した。その結果
・オメガ3添加はオリジナル処方のメリットを増やさない
・ベータカロテンを取り除いても利益は減らない
亜鉛を減らしても効果は変わらない
ルテイン/ゼアキサンチンは、食事からの摂取量の少ない人を除くと全体として役にたたない
もしあなたがAMDなら、あなたの眼科医はAREDSについて話すだろう。オリジナル処方はBausch & Lombが特許をもっているが類似品が溢れていて、さらに今度はAREDS2も加わる。製品が多すぎて混乱するだろうから、医師に尋ねよう。
AREDS処方やその他のサプリメントAMDやその他の眼の疾患の予防に役立つという根拠はない。それでももしあなたがAMD発症リスクが高いなら(例えば親がAMD)、医師に相談する価値はあるだろう。
白内障については影響はなかった。AREDS2の二次解析の結果でもルテイン/ゼアキサンチンサプリメント白内障の進行を抑制しなかった。

  • 健康的な目のための食事

Diet for Healthy Eyes
Berkeley Wellness | October 08, 2013
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/diet-healthy-eyes
良い食生活が健康な目を維持するのに役立つことは研究により強く示唆されている。実際、心血管系の健康に寄与する食習慣は、脳や一部のがん予防にも役立つ可能性があるが、目にも良い。ここに基本的事項を示す。
・カラフルな野菜や果物を食べよう。特にケールやほうれん草のような緑の葉物野菜にはカロテノイドが多く、加齢性黄斑変成や白内障予防になる可能性がある。ブルーベリー、ビート、ブロッコリ、ニンジンも良い。
・網膜のために魚やナッツなどの健康的な脂肪を選ぼう。
・食品から亜鉛を多く摂ろう。肉やシーフード(特に牡蠣)が亜鉛源となる。醸造酵母、ミルクや乳製品、豆、小麦胚芽、全粒穀物なども亜鉛源となりうる