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食品と飼料中のデオキシニバレノール:発生と暴露

Deoxynivalenol in food and feed: occurrence and exposure
EFSA Journal 2013;11(10):3379 [56 pp.]. 03 October 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3379.htm
デオキシニバレノール(DON)は各種フザリウム属種が作るカビ毒であり、アセチル誘導体と配糖体とともに穀物ベースの食品や飼料に発生する。2007年〜2012年の間に欧州21か国で集められた、食品、飼料、最終用途が決まっていない加工されていない穀物の、全26613件の分析結果について解析した。DONは検体の約半数で検出され、小麦、トウモロコシ、えん麦とそれら由来製品に高い値が観察された。食品よりも飼料に、より高い濃度が検出されている。
DON濃度が食品の規制値や飼料の指導基準値を超えた事例は2%未満だった。DONアセチル誘導体と配糖体はより低い検出頻度と濃度だった。年齢とそれぞれの調査の組み合わせによる各集団により、DONへの慢性暴露は平均して一日当たり0.22~1.02 µg/kg b.w.であり、95パーセンタイルは一日当たり0.43 ~ 1.86 µg/kg b.w.であった。
主な暴露源はほとんどの場合、パンとロールパンである。急性暴露評価は、国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会の提案した急性参照用量である8µg/kg b.w.を超過した日の割合で最もリスクの高いグループで0.51%と推定した。閾値を超えた暴露日数は、乳児グループでは穀物製粉製品の、他の年齢グループではファインベーカリー製品の摂取に最も関連があった。動物の慢性と急性の暴露は、一日当たりそれぞれ3.9 〜43.3 µg/kg b.w.と11.6 〜 137.9 µg/kg b.w.と推定された。家禽は最も暴露の多い動物で、ブタ、ペット、魚と続く。欧州全体でのDONのモニタリング計画のさらなる調和と報告データの改善が推奨される。