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ネオニコチノイド農薬に関連する2013年のカナダのミツバチの死亡率の評価−2013年9月26日時点での中間報告

Evaluation of Canadian Bee Mortalities in 2013 Related to Neonicotinoid Pesticides - Interim Report as of September 26, 2013
Date Modified: 2013-10-28
http://www.hc-sc.gc.ca/cps-spc/pubs/pest/_fact-fiche/bee_mortality-mortalite_abeille-eng.php
2012年のミツバチ死亡の概要
2012年の春と夏にPMRAはオンタリオケベックのトウモロコシ栽培地域で異常に多数のミツバチの死亡についての報告を受け取った。42養蜂業者から242以上のミツバチ飼育場についてのもので、殺虫剤処理トウモロコシ種子を植えた時期と一致した。2012年の事故報告評価で、殺虫剤処理トウモロコシ種子がミツバチの死亡に寄与すると結論した。また2012年の異常気象も寄与するとされた。その結果殺虫剤処理トウモロコシ種子由来のダストのミツバチへの暴露を減らす対策がとられた。
2013年のミツバチ死亡の概要
2013年は2012年と違って普通の気候だった。例年通りトウモロコシと大豆が植えられた。しかしながらミツバチの死亡報告は多く、2013年8月29にちまでに79の養蜂業者から322以上のミツバチ飼育場について報告された。最初のうちは殺虫剤処理トウモロコシや大豆をまく時期と一緒だったが、種まきのシーズンが終わっても夏の間中ずっと養蜂家はミツバチに影響があったと報告し続けた。
カナダプロ養蜂業協会(CAPA)によるとオンタリオの越冬ロスは2012-2013年は37.9%で2011-2012年の12%より高い。過去5年間のオンタリオの越冬ロスは12-43%で変動の範囲内である。
PMRAはオンタリオ環境省等と協力してこれらの消失における農薬の影響を評価している。初期解析では農薬の誤使用はなかった
死亡したミツバチや生きたミツバチ、巣などの残留農薬分析では、死亡したミツバチの75%から検出可能なネオニコチノイド殺虫剤があった。
2年間のミツバチ死亡率に基づく暫定的結論
2013年のミツバチの消失にクロチアニジンやチアメトキサムが関与したことが示唆されるが、ミツバチ死亡の少なくとも4件はネオニコチノイドに関係がない。さらなる情報を収集している。
2012年は異常気象の影響を示唆したが2013年は普通の気候だったのに死亡報告は相当数あった。従ってPMRAは現在のトウモロコシや大豆へのネオニコチノイド処理が持続可能ではないと結論しさらなる対策を提案している。
(以下死亡率や検出農薬の表)