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ある種の半加工シリアル製品のデオキシニバレノール最大量増加による公衆衛生上のリスクについての声明

Statement on the risks for public health related to a possible increase of the maximum level of deoxynivalenol for certain semi-processed cereal products
EFSA Journal 2013;11(12):3490 [56 pp.]. 17 December 2013
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3490.htm
欧州食品安全機関(EFSA)は、ある種の半加工シリアル製品のデオキシニバレノール(DON)の最大量(ML)を750 µg/kg から1000 µg/kgに引き上げることによる公衆衛生上のリスクに関する科学的意見を求められた。この声明のためにEFSAは2007 〜2012年の間に欧州21か国から集められた食品中DONの既存データを用いた。市販前モニタリングの適切なデータがないので、ML増加の影響はシミュレーションにより推定し、個別食品の平均濃度が1.14から-1.16倍になるという結果になった。いくつかの年齢別クラスでの慢性暴露の中央値に基づき、2010年に国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)によって推定されたDONと3-及び15-アセチル誘導体の合計についてのグループ暫定最大1日耐容摂取量(PMTDI) 1 μg/kg体重を超える消費者の割合は、現在のMLよりも提案された増加MLでおよそ2倍多い。いくつかの急性暴露シナリオでは、消費日の25.9 %以上でJECFAの設定した8 µg/kg体重のグループARfDを超過する結果となった。EFSAのフードチェーンにおける汚染物質に関する科学委員会は、健康影響に基づく指標値(HBGVs)が3-Ac-DON と15-Ac-DONを含むことを注記する。アセチル誘導体データがほとんど入手できなかったので、この声明ではアセチル誘導体からの暴露はカバーされていない。DON MLの増加はDON とAc-DONsレベルの増加に関連すると予想され、その結果として暴露量が増えグループHBGVsを超過する可能性がある。