食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 農業での抗生物質の広範な使用は公衆衛生の危機となる、と研究者は言う

Researcher says extensive use of antibiotics in agriculture creating public health crisis
25-Dec-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-12/uoc-rse122313.php
New England Journal of Medicineに発表された論文でカルガリー大学のAidan Hollis経済学教授らはヒト以外への抗生物質の使用に使用量を科すことを提案
米国では抗生物質の80%が農業水産業で使用されている

  • 人工甘味料は健康なヒトに経口でグルコースを与えた後の胃を空にする、グルカゴン様ペプチド-1、あるいは血糖に影響しない

Artificial Sweeteners Have No Effect on Gastric Emptying, Glucagon-Like Peptide-1, or Glycemia After Oral Glucose in Healthy Humans
Tongzhi Wu et al.,
Diabetes Care December 2013 vol. 36 no. 12 e202-e203
http://care.diabetesjournals.org/content/36/12/e202.full
ダイエットソーダが甘味受容体に誘発される反応を刺激するというBrownらの報告を否定する研究。スクラロースアセスルファムKによる影響は観察できなかった。

Groups Release New, Updated Guidelines to Reduce Heart Disease Risk Factors
JAMA. 2013;310(24):2602-2604
December 25, 2013
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1793791
適切な食事と運動を中心とした健康的なライフスタイルが重要
健康的なライフスタイルのうち、減塩についてはAHAはナトリウムを1日1500 mg以下としているがガイドラインではその数値は採用していない
また特定の食事パターンを薦めてはおらず、患者ごとの必要エネルギー量や個人や文化的好み、持病などを考慮して計画をたてるように薦めている。
食事パターンとして根拠があるのはDASHダイエットやAHA食、地中海食など。
(いずれも脂肪由来カロリーは30%程度が望ましいとしていて日本だけ30%で摂り過ぎとか言ってて異質。そして根拠が見あたらない)

  • 残念ながらクリスマスの二日酔いの治療法はない

Calgary Herald
Sorry — there’s no cure for a Christmas hangover
December 25, 2013
http://www.calgaryherald.com/health/Sorry+there+cure+Christmas+hangover/9322037/story.html
祝祭と二日酔いの季節がやってきた。治療法とされるものがたくさんあるが(最新のものはスプライト)、水や炭水化物をたくさん摂るなどの一部症状を軽くするかもしれないことはあるが二日酔いを治すしっかりした根拠のあるものはない。
そして我々の祖先が何をしてきたかを振り返ると我々同様何もわかっていなかった。古代ローマではフクロウの卵を生で飲むことが薦められガイウス・プリニウス・セクンドゥス(AD 23 –AD 79)は街へ繰り出す前に胃をローストしたヒツジの腸でカバーしておくことを助言された−多分少しは効いただろう。17世紀になるとハーバリストNicholas Culpeperは鼻にアイビーの木の汁を詰めることを薦め、1824年には雑誌The Medical Adviserが喉に酢を流し込みこめかみをなでる、それで10分以内に元気にならなかったら裸にしてバケツの水を頭の上3フィートから浴びせるというショック療法を説明している。ビクトリア時代には市販製品がたくさん出た。1840年代にニューヨークに重炭酸ナトリウムと酒石酸とカリウムの発泡性粉末であるTarrantの Seltzer Aperientが出現し、これは脱水した身体に幾分かの液体とミネラルを供給し人気があり20世紀まで残った。コカインも使われた。他に1905年にMer-Syrenという製品がインドのハーブレメディと称してもてはやされたが1911年に英国医師会の分析でただのジャガイモの粉末であることが暴かれた。アメリカでは1950年代にQuaff-Aidという製品が流行したがこれは醸造酵母である。
これは本の紹介
The Quack Doctor: Historical Remedies for All Your Ills’
by Caroline Rance  The History Press
(ちなみに日本だとなぜかウコンが流行っているけれどウコンによる肝障害は結構多いし、これでたくさん飲んでもいいと考えるのはさらに悪い)