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ろうそくの鉛、ニッケル、アレルギーを起こす香りは制限されるべき

Lead, nickel and allergenic scents in candles to be restricted
11 November 2013
http://www.bfr.bund.de/cm/349/lead-nickel-and-allergenic-scents-in-candles-to-be-restricted.pdf
ろうそくは鉛、ニッケル、アレルギーを起こす香り、揮発性有機化合物(VOC)などの健康に悪影響のある物質を含む恐れがある。これらの化合物は循環する空気中に放出され、消費者に吸入される。そのため、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)ろうそくの全EU安全性基準勧告を公表した。
鉛を含むろうそくは使用者の健康に影響を及ぼす可能性がある。子供では鉛は神経系と脳の発達に影響し、認知発達と知能に悪影響がある。成人では永続して鉛暴露が増加すると腎臓を損傷し、がんを引き起こす。ろうそくでは、この重金属は、汚染物質としてロウの中に、長い時間燃えていられるようにするための芯、着色顔料に存在する。
鉛を含むろうそくが燃えると、鉛は空気中に放出され、吸入されて血中濃度を引き上げる原因となる。子供たちはすでに食品から多量の鉛を摂取しているので、これ以上の摂取は可能な限り避けるべきである。ゆえにBfRは全てのろうそくの成分に鉛の使用を禁止するよう勧告している。
ニッケルの吸入はがんの原因となる。そのため、ニッケルはろうそくでは技術的に達成可能な最低レベルに減らすべきである。健康上の観点から、ろうそく1グラムにつき0.6 ナノグラム(ng) のニッケル量を超えてはならない。
ろうそくにアレルギーを起こす香りを使用すると香料に対してすでに感作されている消費者に悪影響を及ぼす。この人たちがこの物質を吸入すると、既存のまたは生じつつある接触性湿疹の「再発」を引き起こす可能性がある。
香りはろうそくの機能には必要なく、多数の非感作性の香りが販売されているので、BfRは化粧品やおもちゃに制限なく使用できるこれらの香りだけがろうそくに使用されるべきだと勧告した。
ドイツ語フルバージョン
http://www.bfr.bund.de/cm/343/blei-nickel-und-allergene-duftstoffe-in-kerzen-solltenbegrenzt-werden.pdf