食品安全情報blog過去記事

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Turning Point
Alarming upwards trend on ice-related ambulance call-outs
Posted on: Thursday, 08 May 2014
http://www.turningpoint.org.au/Media-Centre/Latest_News/Ice-related-ambulance-call-outs-continue-to-rise.aspx
薬物関連救急出動が昨年急増した。ビクトリアではアイスに関連する出動命令が2011-2012年は77件だったのが2012-13年は231件、メルボルンでは同様に592件が1112件になった。メルボルンのアイス関連出動命令が2009-10年は136件、2010-11年が282件だったので近年の急増は警戒すべきことである。
他の薬物についても増加している。
大麻メルボルンで936から1416へ、エクスタシーは191から306へ。

  • アトラジンと永久科学戦争

Science 2.0
Atrazine And The Forever War On Science
By Hank Campbell | May 7th 2014
http://www.science20.com/science_20/atrazine_and_the_forever_war_on_science-135693
まず最初に、私は化学物質が大好きではないことを言っておく。だからといってケモフォビア(化学物質恐怖症)ではないし科学恐怖症でもない。私は幸運にも化学物質を必要としないという特殊なエリートである。アスピリンも飲まないし投薬治療が必要な持病もない。だから中立を気取ることができる。
私は地球上で最も農業が盛んな地域のひとつに生まれて幸運だが、世界にはそれほど恵まれていない地域もある。しかし科学を用いれば、科学無しでは育たなかった土地に作物を育て害虫を防ぎ不平等を緩和することができる。これはいいことだ。しかしほとんどの人がそのメリットを享受していながらそのことを知らない。そして知っているのは恐ろしい話ばかりである。
ここ、サクラメントで人々に農薬の名前を聞くと彼らが挙げられるのはたったひとつ、DDTだけである。そしてその農薬は過去40年間使われていない。大抵の場合、科学についてのこんがらがった物語と我々の文化では、化学物質といえばそれは悪いものに決まっていて、農作物の収量を大きく上げている二つの除草剤の名前を言える人はほとんどいない。それはグリホサートとアトラジンである。グリホサートについては別項で取り上げている。環境活動家は全ての化学物質が嫌いであるが、アトラジンについては現実に見えない戦争が行われている。アトラジンの話には科学は全く関係ない−その代わりに脅迫とセクシャルハラスメントと裁判とTupac Shakur(いろいろトラブルをおこしたアーティスト)が関係する。以下Tyrone Hayes教授とアトラジンの物語(長い)。
数ヶ月前The New Yorkerに出たRachel AvivによるHayes教授の主張をそのまま伝える記事が、もともと化学物質が嫌いな政治家等の反響を呼びHayes教授はヒーローになった。彼の主張するアトラジンのカエルへの有害影響についてはとっくに決着がついていてデータも公開されているがジャーナリストは事実より個人の主張を書く方が楽だ。
New Yorkerの記事を支持する人たちがWikipediaの記載もハイジャックしている。大抵の化学物質を憎んでいるEPAはアトラジンが嫌いだが何年も研究して何も見つけられないでいる。アトラジンの件では明らかにシンジェンタよりNew Yorkerの方が情報操作に成功している。裏取引があるという陰謀論が活動家を動かす。そもそも農薬の安全性試験は法により企業がお金を出すことが要求されているのだが彼らは「企業がお金を出した」といえば科学を否定できるとする。Hayes教授の研究は誰にも再現できず否定されている。
しかしこの種の永久科学戦争"Forever War on Science"はこれまでも行われてきた。科学的に自明なことでもジャーナリストはその結果が気に入らなければ別のことを言う。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140312#p20