食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

BMJに発表された砂糖入り飲料と肥満警告についての個人的意見への専門家の反応

SMC
Expert reaction to Personal View article on sugar-sweetened drinks and obesity warnings, as published in the BMJ
May 27, 2014
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-personal-view-article-on-sugar-sweetened-drinks-and-obesity-warnings-as-published-in-the-bmj/
リバプール大学公衆衛生と政策部門の長であるSimon Capewell博士がBMJに「個人的見解」として砂糖入り飲料には健康警告を表示するべきであると考える理由を説明した。
それに対する意見
King’s College London医学部糖尿病と栄養科学部長Tom Sanders教授
砂糖入り飲料を摂りすぎることは、子どもの不健康な体重増加に寄与する。しかし砂糖はタバコではない:依存性はなく、心血管系疾患やがんの原因ではない。砂糖を含む経口補水液は何百万人もの命を救っている。若い人の健康に与えるリスクは喫煙、飲酒、薬物、安全でないセックス、タトゥーやボディピアスのほうが大きく、ソフトドリンクに警告表示をするのはバランスに欠ける。
グラスゴー大学心血管系研究センター代謝医学教授Naveed Sattar教授
これは砂糖入り飲料に警告をするという良くできたバランスの良い主張である。砂糖入り飲料が過剰なエネルギー摂取や肥満、そして糖尿病リスクに寄与することにはたくさんの根拠がある。さらに一般からの警告表示を支持する声も強い。そのような警告に効果があるかどうかを観察するのは興味深いだろう。しかし、水を含む低カロリー飲料がたくさんあり、ダイエット飲料を含む代用品の味にほとんどの人が適応できることを考えると、肥満警告表示はより良いものを選ぶのに役立つかもしれない。
ケンブリッジ大学MRC疫学ユニットプログラムリーダーNita Forouhi博士
大きな問題には大胆な解決法が必要だ。「砂糖と健康」の議論においては最も具体的な介入事例は砂糖入り飲料である。砂糖入り飲料の摂取量の多さは2型糖尿病の発症リスクの高さとも関連する。公衆衛生上の介入選択肢の8スケールでは、ステップ1の何もしない、からステップ8の選択肢を奪う、までの間で表示をする、は三番目のステップに相当するだろう。課税は6番目のステップに相当する。警告表示の文言も注意深く検討する必要がある。砂糖が肥満や虫歯に寄与するというのは事実ではあるが同時に健康的ライフスタイルと運動をするというメッセージを送る必要がある。警告が必要な砂糖の量についても検討が必要である
オックスフォード大学生理生化学Kieran Clarke教授
砂糖入り飲料に警告表示をすることの効果は僅かだろう。最良の方法は全ての甘いものを諦めて脳をリセットすることだ。

Sugar sweetened drinks should carry obesity warnings
Simon Capewell
BMJ 2014;348:g3428 (Published 27 May 2014)