食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 炭酸飲料の警告義務化がもうすぐ法になる

Mandatory soda warnings closer to becoming law
05/29/2014
http://www.santacruzsentinel.com/news/ci_25861518/mandatory-soda-warnings-closer-becoming-law
Monning法案が重要なハードルを越えた
これが成立すればカリフォルニアでは「カリフォルニア州安全性警告:添加された糖を含む飲料を飲むことは肥満、糖尿病、虫歯に寄与する」と表示しなければならない

  • 子どもを貧困から引き上げるために脳を訓練する

Science
Training the Brain to Lift Toddlers Out of Poverty
Thursday, May 29, 2014
http://news.sciencemag.org/economics/2014/05/training-brain-lift-toddlers-out-poverty
貧困家庭の子どもは大きくなっても差が無くならないのは悲しい事実である。しかしジャマイカでの新しい研究で簡単な刺激で驚くべきメリットがあることを示した。
ジャマイカで成長が遅れている9-24ヶ月の子どもたちに、地域のヘルスワーカーが毎週栄養補助(一日のエネルギー必要量の66%とビタミンやミネラルを含むミルク)、社会的精神的刺激プログラム、あるいはその両方、を2年間与えた。対照群は何も与えない。精神的刺激プログラムの内容は保護者に簡単な絵本や手作りおもちゃを与える、子どもにモノの名前を教えるように促す、こどもと会話するよう薦める、というものである。このような日常的な相互作用は低所得国では必ずしも普通ではない。親たちは常に忙しくておもちゃもほとんどない。その後20年のフォローアップで、精神的刺激プログラムを受けた子どもたちの成績が良くIQが高く収入が25%多いことがScienceに発表された。栄養補助はあまり効果がなかった−多分成長が遅れる前に栄養介入すべきだったのだろう。
著者が強調しているのは精神的刺激プログラムは簡単なものでiPadのような高価なハイテクガジェットではないということである。
この研究は世界中で増えつつある小さい時におこることが生涯の健康や学習に影響するという知見にさらに付け加わるものである。
(言葉を話せない赤ちゃんに話しかけ続けるのはかなり難しい。核家族第一子だと預けた方が環境が豊かなんじゃないだろうか。手作りとかにこだわるより赤ちゃんと遊んであげるほうがずっといいだろう。)

  • 女の子を妊娠するアプリ?

App to Conceive Baby Girls?
by Keng Lam | May 29, 2014
http://www.berkeleywellness.com/self-care/sexual-health/article/app-conceive-baby-girls
最近メディアが女の子を妊娠するためのStorkDiet Guideというアプリを報道するのを見た。9.99ドルのこのアプリは英国の740人の妊娠女性の食習慣についてのデータを集めたものが根拠だと主張する。この研究を行った研究者らは妊娠前にカロリー摂取を減らすと女の子を妊娠しやすいと主張する。このアプリに意味はあるか?ない。ひとつはこの研究は観察研究である。ひとつは差が小さい。カロリーの摂取量の少ない女性で女の子を生んだのはたった55%である。研究者らは統計学的有意差があったと主張するが、たったこれだけの差のために医師の助言無しに低カロリー食にするのは非合理的である。
こんなアプリは気にせず、医師や栄養士の助言で健康的な食生活を。
(これか
http://applenewscentral.com/iphone/108402.html
日本語が意味不明だけれど
メディアは変な情報を垂れ流すので・・)

Should You Still Take That Multi?
by Ikenwan | May 29, 2014
http://www.berkeleywellness.com/supplements/vitamins/article/should-you-still-take-multi
米国ではマルチビタミン/ミネラル錠剤を毎日使う人が最もよくあるサプリメントの使い方である。どうして摂るのかと尋ねればほとんどの人は貧しい食習慣を補うためか健康維持や病気予防のためと答えるだろう。しかしながらそのようなマルチビタミンの宣伝を支持する根拠は驚くほど少ない(個別のビタミンやミネラルについても同じ)
12月にAnnals of Internal Medicineに発表された2つの研究でマルチビタミンのメリットが見つけられず、それらを発表したときのエディトリアルには「もう十分だ:ビタミンとミネラルサプリメントにお金を無駄にするのは止めよう」と言わせた。
一方2月には米国の予防医学専門委員会がマルチビタミンを摂ることは薦められない(反対もしない)と結論した。これら全てによりサプリメント使用者はどうするだろう?
マルチビタミン研究:希望は大きかったが結果は予期せぬものだった
(これまでの経緯)
我々の助言
もしマルチビタミンにメリットがあるとしてもそれは僅かなものだろう。製品の組成はばらばらで仮に有害や有効など影響があったとしても何が原因かはわからないだろう。サプリメントは栄養状態が悪い人にはメリットがある可能性はあるがそういう人たちはサプリメントを摂らず、サプリメントの必要のない十分栄養を摂っている人たちがサプリメントを摂る率が高い。食生活が「最適ではない」場合でもサプリメントはほとんど効果がないだろう。ビタミンサプリメントは医学的管理が必要な重症の欠乏症には効果がある。ジャンクフードばかり食べているような状況でも、サプリメントが野菜や果物の代わりになることはない。

Does a Multi Make Sense?
by Berkeley Wellness | May 29, 2014
http://www.berkeleywellness.com/supplements/vitamins/article/does-multi-make-sense
サプリメントが必要な一部の人の説明
・妊娠する可能性のある女性の葉酸
・完全菜食主義者ビタミンB12亜鉛、鉄、カルシウム
・長期間減量していたりその他食事制限のある人
など

  • 何故USDAのオーガニック種子生産に突然変異誘発と細胞融合が認められているのか?

Farm Wars
Why are Mutagenesis and Cell Fusion Acceptable in USDA Organic Seed Production?
http://farmwars.info/?p=12501
(このサイトはGMO反対運動をしていて人工のものは一切使いたくないと言っている。ところがオーガニック認証されている作物の種子が「極めて強い変異原性をもつ化学物質や放射線によって不自然に破壊された結果作られた品種」であることを知って、認証が信用できない、種も自然のものであることを確認しなければ本当のオーガニックではない、と主張している。
今更何を言っているのだと思うのだが、反GM活動の農業への無理解を端的に示す。そのままいくと原種以外は認められないということになって食べるものがなくなりそうだが・・・)

  • 怖がらずに食べよう

Eat Without Fear
By John Stossel • May 28, 2014
http://patriotpost.us/opinion/26091
食品に入っているものについて人々を怖がらせるのは簡単だが、その危険性が現実になることはまずない。そして恐怖そのものはヒトを殺す。
GMOについてのパニックを取り上げてみよう。アメリカで栽培されている全てのトウモロコシのうちいまや90%がGMである。これが一部の人にとって気に入らない。GMOは「不自然」だと彼らは言う。映画「死の種子」のシーンでは「GMOを食べると消化管に穴が空く」「多臓器不全になる」と警告する。
オーガニック成分を使っていることが自慢のレストランチェーンChipotleは産業的農業は邪悪であるという動画を作っている。邪悪な飼料企業が反対する人を殺すと脅迫しその飼料を食べたウシが爆発するという“Farmed and Dangerous”というシリーズ動画である。
Consumer ReportsのMichael HansenはGMOについて話すときはいつも怖そうだ。彼は「突然変異はどこにはいるかわからない」という。
このようなメディアや活動家からの恐怖の話を聞くと、Jon Entineの「我々は既にGMOが最初に販売されてから18年間の間に7兆食も食べていて病気になったという報告はない」ということにほとんどの科学者が同意していると聞いて驚くかもしれない。
人々はGMOを何か奇妙で新しいものだと考えている限り、もっと試験が必要だ、もっと警告すべき、予防原則で、というだろう。
しかし人々はグレープフルーツに放射線を照射して作ったルビーグレープフルーツについてはパニックを起こさなかった。何世紀にも渡る、遺伝子の変化があるということすら知らなかった時代のランダムな交配についても心配していない。現代の方法の法が危険だという理由はなく、むしろ新しい方法の法が正確で安全である。
以下略

  • 1980—2013年の世界、地域、国の子どもと成人の肥満と過体重の有病率:GBD研究の系統的解析

Global, regional, and national prevalence of overweight and obesity in children and adults during 1980—2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013
The Lancet, Early Online Publication, 29 May 2014
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2814%2960460-8/abstract
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20140529#p8のもと論文