食品安全情報blog過去記事

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炭化カルシウムを用いて人工的に熟成させた果物を食べることは健康上問題となるかもしれない

Consuming fruits ripened artificially by Calcium Carbide may pose health problems
(Dated: 06-06-2014).
http://www.fssai.gov.in/Portals/0/Pdf/Article_on_fruits.pdf
果物は生で食べられる。昨今意図的に健康に有害な化学物質で汚染されているものがある。消費者に受け入れられやすくするために良く行われている前処理のひとつに人工熟成がある。人工熟成はより早く均一に熟したようにするために行われるが、熟成は植物を食べられるようにするための生理的プロセスである。
人工熟成とは
アセチレンやエチレンなどの不飽和炭化水素が果物の熟成を促し色を変えることができる。見かけは良くなるが熟していない果物の色だけを変えた場合、味や匂いは良くない。さらに未熟なものを熟成させるために使う熟成剤の量は適切に熟した果物に使う量より多くなる。
炭化カルシウムとは
1955年PFA規則および2011年食品安全基準で禁止されているが、果物を熟成するに最もよく使われるもので(CaC2)、マサラとよばれる。水を加えるとアセチレンガスを生じる。アセチレンは植物のホルモンであるエチレンに類似の作用をするとされるがエチレンほど有効ではない。また炭化カルシウムには微量のヒ素とリンの水素化物が含まれる。
炭化カルシウムは安くて入手しやすいので推奨される他の熟成法より好んで使われる。
炭化カルシウムの果物の品質への影響
炭化カルシウムを使って熟させた果物は過度に柔らかく味や香りが劣る。表面は色づいていても中が緑あるいは未熟なままの場合がある。
炭化カルシウムによる健康影響
炭化カルシウムは腐食性で毒性が高く、発がん性がありヒ素やリンが混入している。
炭化カルシウムを使うことがある果物はマンゴ、バナナ、パパイヤ、サポタ(Chiku)、デーツ、トマトである。
消費者向け予防策
・果物は食べる前に流水で良く洗うこと。
・マンゴーやリンゴを食べるときはそのままより切ってから
・できれば皮を剥く