食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

ファクトシート 砂糖と健康

UK SMC
Science Media Centre Fact Sheet
Sugar and Health
http://www.sciencemediacentre.org/wp-content/uploads/2014/06/SMC-Factsheet-Sugar-and-Health.pdf
用語
内因性糖Intrinsic Sugar:丸ごと果物や野菜に含まれるような、食品の細胞構造の中に存在する糖
外因性/遊離糖Extrinsic/Free Sugar:食品の細胞構造内に留まらない糖、卓上砂糖、ミルク、ハチミツ、シロップ、ジュースや濃縮液
非乳外因糖Non-Milk Extrinsic Sugar (NMES):乳製品を除く、食品の細胞構造内に留まらない糖、しばしば「遊離の糖」はNMESを意味する
添加糖Added Sugar:調理や加工の才に食品に加えられる糖
糖は100gあたり380 kcalで、脂肪のエネルギー密度の約半分

どれだけ食べるべきか
EU : 参照摂取量は総糖で成人1日90g
WHO:遊離の糖は1日の総エネルギー摂取量の10%未満、歯の健康のためには5%以下にすると追加のメリットがあるかもしれない
SACN:NMES は1日の総エネルギー摂取量の11%未満としているが現在見直し中
NHS:添加糖は1日の総エネルギー摂取量の10%未満
1日の総エネルギー摂取量の10%は1日2000カロリーを消費するヒトの場合200カロリーで53g=テーブルスプーン13杯に相当する。1日2000カロリーはEUの場合成人女性で、男性は2400カロリー、若い男性は3300、十代の男の子だと4-5000カロリーになる

砂糖と健康に関する根拠
2013年の系統的レビューでは食事中の糖の量を変えることは直接体重に影響する。特に関連が強いのは炭酸飲料やエネルギードリンク、ジュース、お茶やコーヒーなどに添加された糖で、それについては一貫している。砂糖と肥満との因果関係は、より多くのカロリーを摂ると体重が重くなるというメカニズムによる。他のメカニズムで健康影響があるというしっかりした根拠はない(虫歯は除く)。

糖の化学型の違い
「糖」という単語はいろいろな分子を指す。大きく分けてブドウ糖や果糖のような単糖と、ショ糖や乳糖のような二糖がある。ショ糖(砂糖)はブドウ糖と果糖からなる二糖で、代謝はそれぞれ異なる。ブドウ糖は呼吸の燃料となり腸で速やかに吸収され血中を循環する。膵臓を刺激してインスリン産生を刺激する。果糖は腸から吸収されるが血中にはあまり入らずインスリン分泌は刺激しない。肝臓で脂肪(トリグリセリド)の前駆体であるグリセロールに代謝される。ほとんどの主食穀物に含まれるでんぷんはブドウ糖がつながったもので、消化により分解されてブドウ糖として吸収される。

議論点
砂糖は毒か?
一部の科学者は肥満への寄与以外に糖に健康への有害影響があると主張している。動物実験で砂糖の多い食事と高血圧の関連がしめされているがヒトでの試験はなくまだ仮説である。エネルギー摂取量の25%以上の高用量ではインスリン応答に有害影響の可能性がある
砂糖は依存性があるか?
砂糖を食べると脳の報酬系が活性化するため依存性があると示唆されているが議論がある。この分野のヒトでの研究はまだ未熟で薬物による依存と同じかどうかは不明。実験室での結果が現実世界で当てはまるかどうかも不明。
高果糖コーンシロップ(HFCS)は懸念材料か?
一部の科学者はHFCSの使用が増えたことが肥満の増加と同時期であると主張している。HFCSは通常果糖:ブドウ糖55:45でショ糖の50:50と同様で、HFCS特有の影響があるという根拠はほとんどない
以下リンクと参照情報