食品安全情報blog過去記事

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その他

Organic Marketing Report
Academics Review
http://academicsreview.org/wp-content/uploads/2014/04/Academics-Review_Organic-Marketing-Report1.pdf
世界のオーガニック食品市場は630億ドルに到達し、さらに広い意味の「ナチュラル」製品市場は米国だけで2900億ドルを超える。この報告書は市場調査と企業戦略、およびその背景にある近代消費者の食品とライフスタイルの傾向を探る。
オーガニック食品市場は、市販の安価な食品は安全に問題があるという警告によって拡大している。オーガニックは意図的詐欺的マーケティングがベースになっている。オーガニックは安全性や栄養価の指標にはならず、単なるマーケティング用語である。オーガニック企業自身が、事業拡大のために普通の食品への恐怖を煽るマーケティングをすべきと公の場で発言している。
マーケティング対象はLOHAS(コア)、ナチュラリストドリフターズ(流行に引きずられる人たち)
反農薬反GMOなどの各種NPOにオーガニック企業が出資している

  • 米国の子ども研究は減速

Natureニュース
US child study hits buffers
Heidi Ledford  17 June 2014
http://www.nature.com/news/us-child-study-hits-buffers-1.15420
データの問題が同定されてコホート調査開始時期は遅れる
10万人のこどもを21才まで追跡してデータを集めるという米国の全国子ども研究(NCS)は計画が始まってから14年経過し予備調査に5050人の子どもが参加して10億ドル以上費やしたにもかかわらず、未だ科学的基盤が欠けている。NRCが6月16日に報告書を発表した。
研究デザインの背景となっている仮説がばかげているsilly。

  • 遺伝子検査は酸浴幹細胞は存在しないことを示唆

Gene tests suggest acid-bath stem cells never existed
David Cyranoski 17 June 2014
http://www.nature.com/news/gene-tests-suggest-acid-bath-stem-cells-never-existed-1.15425

  • 規制:希望ではなく役立つものを売れ

Natureコメント
Regulation: Sell help not hope
Paolo Bianco & Douglas Sipp
16 June 2014
http://www.nature.com/news/regulation-sell-help-not-hope-1.15409
幹細胞は根拠のない医療を市場に出すための楔として使われている、と警告
現代医学は市販前に厳密な安全性と有効性の試験をパスした製品に依存する。医薬品などの医療用製品には世界中でそのような要求がなされている。しかし一部の人たちが過去10年の間にこの重要な保護を弱めよう、あるいは全くせずにすまそうと要求してきた。
米国のシンクタンクは規制解除宣伝のために幹細胞を使ってきた。このような動きが他国の政策に影響し、幹細胞やその手法は医薬品規制機関による監視を受けるべきでないと主張したり販売前の有効性の証明を無くそうとした。
「選択の自由」が科学的手法に穴を開けるのに使われた。しかし規制のない市場ではビジネスとしての成功と有効性には関連がない。サプリメントホメオパシーが何十億ドルも儲かっていることがその証拠である。
規制を緩めることは企業やプラクティショナーが効果のわからない製品や手法で儲けることを可能にする。患者は良くても実験材料であり悪くすると新しい治療法の開発にはつながらない。
注意
三つの重要文書がある。2010年にシカゴのHeartland Instituteが始めた「医薬品を自由に選ぶ」キャンペーンにより、末期患者に米国で禁止されている実験的医薬品の販売が可能になった。さらにフェニックスのGoldwater Instituteによる「試してみる権利」規制案では末期患者に実験的医薬品を販売する医師に規制を適用しようとする公務員に刑事罰を要求した。これらの提案は一般的医薬品を標的にしているが、過去3年には幹細胞と再生医療が「選択する自由」の活動に使われている。
自分の細胞を使った治療に関する議論が最も激しい。
アジアや南米のいくつかの国では既に幹細胞が市場に溢れていて、医療ツーリズムも伴っている。イタリアのStamina財団関連でも米国の「選択の自由」支持者がイタリア政府に有効性を示さずとも幹細胞の販売を認めるよう圧力をかけた。
日本でも「再生医療」製品を最小限の試験(第I相)のみで最大7年販売することを認める規制が発効し、外国の幹細胞企業がこの有望な市場に入ろうと並んでいる。
第I相臨床試験は試験をするための安全性を確認するもので、医薬品の約80%はその後の試験で失敗に終わっている。半分は効果が無く1/5は安全性に欠けるためである。
米国やメキシコでは「患者がお金を出す臨床試験」を装って、末期患者に何万ドルものお金を払わせている。実験的治療法だと説明されているため、望みが叶わなくても患者たちは助けを求められない。そして企業は希望を販売して富を得る。彼らは既に利益があがっているのだから、それ以上ちゃんとした研究をする理由はない。

  • カリフォルニアの立法府は砂糖入り飲料の警告を却下

California lawmakers reject sugary drink warnings
June 17, 2014
http://seattletimes.com/html/nationworld/2023866575_apxsugarydrinkswarninglabels.html
全国で初めて砂糖入り飲料に警告表示を要求するはずだった法案が廃案になった。通過に10票必要なところ7-8だった。

  • ドクターOzは、インチキとよぶ上院委員会の前で「魔法の」製品を擁護する

Daily NEWS
Dr. Oz defends 'miracle' products before panel of senators who call them a sham
Tuesday, June 17, 2014,
http://www.nydailynews.com/news/national/dr-oz-fields-senate-questions-weight-loss-items-article-1.1833301
人気のテレビスターであるMehmet Ozが、火曜日に上院小委員会でヒヤリングを受けた。インチキサプリメントやすぐ痩せられる方法などのテレビでの宣伝について批判された。彼は最初、専門家としてこれらの製品についての意見を述べるのだと考えていたが、議員は彼を大嘘つきbig, fat liarと呼び、科学の専門委員会はOzの主張にほぼ一致して反対していると述べた。肥満が増加する中で人々が効果のない製品にますます多くのお金を使っているのは問題である、と最近のグリーンコーヒー豆抽出物で痩せるというOzの主張を批判した。
(Ozは心臓外科医なので微妙な根拠は出す。日本にもいるよね、テレビでまくりの胡散臭い医者。国会で審問できるだけの議員のほうがいない)
ビクトリア警察がStephen Dankを医療保険詐欺疑いで捜査
Victoria Police investigate Stephen Dank over possible Medicare fraud
June 17, 2014
http://www.theage.com.au/afl/afl-news/victoria-police-investigate-stephen-dank-over-possible-medicare-fraud-20140616-3a8nk.html
議論の多いスポーツサイエンティストStephen Dankが医療費詐欺の疑いで警察に捜査されている。
Stephen Dankはオーストラリアのラグビーリーグやサッカークラブのスポーツサイエンティストを務めた生化学者で、医師の免許はないが選手のDNAをプロファイルリングするなどの妙な診断や治療を行っていた。Dankの使っていたサプリメントについてオーストラリアスポーツアンチドーピング機構が調査していた。違法薬物をエリートアスリートに投与していた疑いがある。結局クラブを解雇されている。今回は血液検査などの指示が偽造(医師の署名が大量コピー)だったのではないかという疑い。
サプリメントなんか薦めるのは詐欺師だから)

  • 処方鎮痛薬による死亡

Death by prescription painkiller
17-Jun-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/mu-dbp061714.php
McGill大学の研究者らによると、処方鎮痛薬による死亡はヘロインやコカインの過剰使用による死亡より多い。2010年には米国だけで16000人以上が処方鎮痛薬関連死亡で、米国とカナダがオピオイドの消費量で1位と2位になっている。
American Journal of Public Health,
http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2014.301966
(鎮痛目的ではなく麻薬として使ってるだろうこと、処方する特定の医師がいることが問題。一方日本では痛くてもやたらと我慢することが推奨され・・・)

  • アイスクリームの化学:古典的夏のおやつの内側(動画)

Ice cream chemistry: The inside scoop on a classic summer treat (video)
17-Jun-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/acs-icc061714.php
ACSの最新動画
実験室でのアイスクリーム作りが雑。