- 屋内で調理することの危険性
Be Well
Indoor Cooking Dangers
by David Tuller, Dr.ph. | June 25, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/environmental-health/article/indoor-cooking-dangers
何十年もの間、科学者や環境活動家は一酸化炭素や窒素酸化物、粒子状物質などの大気汚染物質の危険性を主張してきた。州や連邦政府の規制当局は少なくとも屋外のこれら汚染物質の削減には大きな進歩を達成してきた。しかし今やLawrence Berkeley National Laboratory (LBNL)などの研究者は調理、特にガスによる、が原因の室内汚染について研究していて、リスクの定量化が困難である。今年初め、LBNLの研究チームは標準的な冬の1週間に、カリフォルニアの1200万人が州や国の大気汚染基準を超過する量の室内二酸化窒素に暴露され、一酸化炭素については170万人と推定した。冬は窓を閉めるので状況が悪化する。近年の省エネ構造により屋内の空気が外に出なくなったため状況は悪化している。
EHPに発表された室内空気汚染の状況についての報告は良い展望を示す。評価が難しいのは汚染量が調理方法や機具によって大きく変わることである。現状ではレンジフードのデザインを改良することが最も効率的であろう。少なくとも家で料理をするなとは言っていない。
(ゼロトレランスなら家では料理しない、になるけど。どこかの消費者団体言わないかなぁ・・「食品添加物」より遥かに大きなリスクなんだけど。言わないのなら気にしているのはリスクではないってこと)
- 栄養:ビタミン試験
Natureニュース
Nutrition: Vitamins on trial
Melinda Wenner Moyer 25 June 2014
http://www.nature.com/news/nutrition-vitamins-on-trial-1.15459
何十年もの試験を行ったが、研究者らはまだ栄養サプリメントが本当に健康を増進するかどうかに合意できない
1911年にポーランドの生化学者Casimir Funkが、精米を主食とする人たちによく見られる当時謎の病気だった脚気の背景にあるものを発見した。病気の鳩にコメ糠から単離した物質を与えると12時間以内に回復したのだ。Funkは脚気や壊血病などの謎の病気は、彼がコメ糠から見つけたような栄養成分の欠乏によると提唱するようになった。Funkはこれらが生命に必要なアミンvital aminesと考えたので、縮めてビタミンとなった。
多くの人がビタミンがある種の病気を予防したり治したりできるという考えを受け入れたが、医学の権威は否定した。ロンドンにあるLister予防医学研究所のFunkの同僚は彼の理論に疑問を提示し彼を排除しようとし、1917年のJAMAのエディトリアルは「欠乏による病気という考え方は一般的になりつつあるがその概念は曖昧で無批判に受け入れられている」と書いた。
現在、ビタミンB1が脚気を予防しビタミンCが壊血病を予防することを誰も疑わない。しかし何百万人もが使っているビタミンサプリメントについての意見はかつてないほど分かれている。昨年のAnnals of Internal Medicineに発表されたエディトリアルが象徴的で、ビタミンサプリメントにお金を無駄にするのは止めようと主張する。研究の結果何もメリットは見つかっていない。理由のひとつは先進国の人々は栄養状態が良いからだ。数ヶ月のうちに反撃が行われ、ビタミン欠乏は米国に広く存在しサプリメントは栄養不足を補うのに役立っているという主張がなされた。
これらの議論は100年以上に渡る研究の質と妥当性についての重要な問題を提示する。この議論にはいつも両極端があり、その原因は我々が答えを知らないことにある。NIHのダイエタリーサプリメントオフィスの長であるPaul Coatesがいう。「我々はどちらにも根拠をもたない」
複数の研究をまとめたり、二重盲検プラセボ対照臨床試験では栄養サプリメントが先進国でなんらかの一貫した健康影響があるという結果はほとんどない。しかし結果が見えないのは研究デザインのせいだと主張する人たちも多い。栄養に関する試験は正しい質問に答えていない。
世界のビタミンやサプリメント市場は680億ドルと推定されていて最も人気が高いのはマルチビタミンである。多くの場合欠乏症と診断されて使用しているのではなく、「健康増進」のために使用している。先進国では脚気のような臨床症状は希であるが一部の研究では多くの人が何らかの栄養素の軽度の欠乏であることを示唆する。この臨床症状として表れない欠乏を重要な問題だと主張する科学者もいる。一方人々の食べる量の調査のが不正確であることは有名である。
一部の栄養素について一部のヒトがサプリメントでメリットがある可能性はある。一方ある種の栄養素の過剰摂取は危険な可能性がある。今や栄養科学者はリスクカーブがUあるいはJ型であると認識している。低用量でメリットがある栄養素でも高用量では有害である。個人がもともとどのレベルだったかによっても反応は変わる。
効果を隠す交絡要因は他にもある。
ではどうすれば栄養についての真実にたどり着く研究がデザインできるのか?いくつかの課題と対策が提案されている。
それで最初の疑問−サプリメントは無用なのか?にもどる。現状の研究では答えははっきりせず、一部の人には役にたつかもしれなず他の人には役にたたないかもしれない。栄養は複雑で、全ての人に役立つひとつの答えがあるとは思えない。しかし大きな問題は、もし科学者が必要な情報を全て得られたとして、それを明確でまとまったものとして提示できるのだろうかということである。
- 複雑な心臓の検査でがんリスクが上がる
Cancer risks increase with complex heart tests
24-Jun-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/lbch-cri062414.php
心疾患のある子どもの放射線暴露を測定
Circulationに2014年6月9日に発表された研究によると標準的X線による被曝は一般的に有意にがんリスクを上げないが(0.002%)、線量の高い複雑な検査−心カテーテルやCTスキャンはそれよりリスクが高い(0.4%)。がんリスク全体としては小さいが他に方法がある場合には子どもの放射線暴露は制限する方がよい
- 完全菜食主義のフロリダの母親が病気の新生児にミルクを与えるのを拒否して告発される
Vegan Florida mom charged with neglect with refusing formula for sick newborn
Wednesday, June 25, 2014
http://www.nydailynews.com/news/crime/vegan-florida-mom-charged-neglect-refusing-formula-sick-newborn-article-1.1844430
23才のSarah Anne Markhamは小児科医が脱水と診断した子どもを病院に連れて行くことを拒否したため、警察がドアを破って自宅に入り生後12日の子どもを病院に連れて行った。
彼女は病院に連れて行けという小児科医の指示に従わずに自分が良いと信じるオーガニック豆乳ミルクを購入して帰宅。彼女はセブンスデー・アドベンティスト信者で子どもを完全菜食主義にしたかったという。またホリスティックドクターが豆乳を処方したと主張している。
- ゾンビ取り下げSéralini GMOトウモロコシラット研究の再発表は科学者の厳しい反応をよぶ
Forbes
Zombie Retracted Séralini GMO Maize Rat Study Republished To Hostile Scientist Reactions
6/24/2014 Jon Entine
http://www.forbes.com/sites/jonentine/2014/06/24/zombie-retracted-seralini-gmo-maize-rat-study-republished-to-hostile-scientist-reactions/
新旧論文比較とかSéraliniのキャリアとか再発表した雑誌の性質とか情報がまとまっている
この雑誌は著者が費用を負担する。1つにつき£730/$1220/€880
インパクトファクターはついていないがRetraction Watchが計算すると0.55くらいだろうと言っている。もともと反GMの主張が強いジャーナル。
取り下げられた論文が別のランクの低い雑誌に発表されるのはこれが初めてではない。