食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • でもそれで安全になるの?

Sense About Science
But does it make us safer?
26 June 2014
http://www.senseaboutscience.org/news.php/400/but-does-it-make-us-safer
Sense About ScienceのTracey Brownが、現代生活をダメにしているばかげた安全規則についての本を書いた。
Sense About Scienceでは「根拠を尋ねよう」キャンペーンを行っている。
Michael Hanlon と共著の「In the Interests of Safety安全のために」が7月3日に発売される。
飛行機のパイロットは飛行機に乗るときにピンセットをセキュリティに預けないといけないのか?携帯電話はガソリンスタンドで爆発の原因になるのか? プールに連れて行くことのできる子どもの数の制限は溺れることを予防するのか?等

  • 英国、米国が栄養助言について議論

ScienceInsider
U.S., U.K. debate nutrition advice
By Jennifer Couzin-Frankel 26 June 2014
http://news.sciencemag.org/health/2014/06/u-s-u-k-debate-nutrition-advice
米国ではFDAが栄養成分表示の変更について公聴会を開催している。改訂案には4000以上のコメントが寄せられていて最近意見募集期間を延長した。今回の提案でいわゆる「添加された糖」の表示義務について議論がある。FDAの案では添加された糖の量を単純に表示することになっているが、Center for Science in the Public Interest のMichael Jacobsonは消費者には1gや15gという数字の意味がわからないので推奨される摂取量に対する割合を表示するよう提案している。FDAはそのような基準値を設定する科学的根拠がないと言う。
一方英国では栄養に関する科学助言委員会が「遊離の糖」は総エネルギー摂取量の5%にすることを薦める366ページの報告書を出した。
どちらの国でも人々の平均糖摂取量は健康的と考えられる量よりはるかに多い(米国では総カロリーの16%)
FDAはたくさんの変更を提案しているが、その中にはビタミンCとAの取り下げもある。これらのビタミンが欠乏していることは希だからである。一方ビタミンDカリウムについては表示を求めている。
栄養科学が発達すると時にその表現は微妙になり、消費者が表示を見て簡単に理解するにはほど遠いものになることがある。
FDAへの意見はFDAの対応が不十分だというものからやりすぎだというものまで様々である。

CNN OPINION
Don't be fooled by dietary supplement claims
By David S. Seres
updated 3:30 PM EDT, Wed June 25, 2014
http://www.cnn.com/2014/06/25/opinion/seres-dietary-supplements/index.html?sr=sharebar_facebook
David S. Seresは医師でColumbia大学医療センターのヒト栄養研究所医療栄養部長で医学部准教授。この見解は著者のものである。
最近上院消費者保護小委員会がダイエタリーサプリメントについての議論に火をつけた。しかしこれは第一段階に過ぎない。300億ドルのダイエタリーサプリメント産業には祝杯を上げる理由がある。アメリカ人の半分以上がサプリメントを使用している。
今年はアメリカ人の健康を悪化させるためのこれまでで最も巧妙な規制が議会を通過して20周年になる。1994ダイエタリーサプリメント健康教育法である。この結果ダイエタリーサプリメントと表示されたものに入っているどんな物質もFDAの規制を受けることはなくなった。この法律には強い超党派の支持があった。結局、アメリカ人が良い栄養を簡単にとれるようにするべきだよね?栄養なら良いに決まってるよね?栄養が人体に必須ならたくさん摂った方が良いに決まってるよね?という主張だった。
しかしサプリメントは我々が信じ込まされていたような素晴らしい万能薬ではなかった。サプリメントにはビタミンやハーブも含まれるが、人体機能を変えるホルモンや医薬品も入れられた。
例えば、手術の前後で指示通りの量のサプリメントを使用したために大量出血するという事例が報告されている。コロラド大学の研究者らは手術予定の患者の40%が血液凝固を抑制する、17%が麻酔時間に影響するハーブやビタミンサプリメントを摂っていることを発見している。
栄養も化学物質も全てが、高用量なら毒性がある。時には死ぬこともある。一部のサプリメントは低用量でも有害影響がある。ビタミンEやセレンサプリメントは悪性前立腺がん頻度を統計的に有意に増加させることが質の高い研究で証明されている。NCIはウェブサイトで強い言葉で警告しているがサプリメント宣伝者は科学的データを否定して異様な理論で宣伝を続けている。真の科学者には利益相反を明らかにする義務があるがサプリメント宣伝業者はそれを隠す。
リスクがあることが証明されているにもかかわらず、市場にはサプリメントの宣伝が溢れている。サプリメント宣伝者は政府の規制に強く反対する。
安全性と有効性を確認するための試験にはたくさんの患者と膨大な費用がかかる。サプリメント企業が規制の圧力無しにそのような試験をする動機はない。
ほとんどの科学者や非科学者はサプリメントを支持する科学的データの貧弱さに気がついていない。このような誤解の一部は栄養学の専門家の失態のせいでもある。
この問題が上院消費者保護小委員会の関心をひいたのは希望の兆候であるが、やるべきことはたくさんある。
ダイエタリーサプリメントと表示しさえすれば有効性も安全性も保証する必要がない。DSHEAの20周年に、法律家はこの巨大企業に挑戦しようとしている。
(一方日本ではダイエタリーサプリメントと表示する必要すらなく消費者を騙そうという勢力が

  • 食品成分への恐怖

Food ingredient fears
25-Jun-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/cfb-fif062414.php
成分をもとにした食品への恐怖を避ける最良の方法は慣れ親しむこと
インターネットやblogは毎日「新成分Xはあなたの健康に有害」と主張する。そのような警告で人々は恐がり、事実を知ることなくそれらの成分を避けるようになり、食品への恐怖を抱く。一部の恐怖は当然であるが他は誤解である。
Food Quality and Preferenceに発表されたコーネル大学の新しい研究では、食品恐怖症になりやすいのは誰か、何故、そしてどうすれば間違った認識を修正できるのかについて検討した。1008人の米国の母親に高果糖コーンシロップ(HFCS)について電話調査し、HFCSを避ける人と避けない人を比べ、避ける人たちは1) テレビよりインターネットから情報を得ている、2) 食品関連の選択を友人やグループの人たちに知って欲しいという欲望が強い、 3)普通の砂糖の入った食品に高いお金を払うつもりはない、ことがわかった。
ステビアの例を用いて、恐怖を減らすにはその成分の歴史などを含め多くの情報を与えることが有効だった。
Increasing Familiarity is the Best Way to Avoid Ingredient-Based Food Fear
http://foodpsychology.cornell.edu/op/food-fear

  • 特徴的な食品の臭いを解読する

Decoding characteristic food odors
26-Jun-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/tum-dcf062614.php
科学者が食品の分子嗅覚サインを解読する
我々はイチゴやコーヒーや焼き肉を臭いだけでどうやってわかるのだろうか?食品には1万以上の揮発性化合物が含まれるが、約230程度で臭いが決まる。さらに絞り込んでいくと典型的な臭いのもとになっているのは30-40程度で、これらの化合物が鼻の約400の臭受容体で解読される。
Andreas Dunkel et al.,; Nature's Chemical Signatures in Human Olfaction: A Foodborne Perspective for Future Biotechnology; Angewandte Chemie International Edition; DOI: 10.1002/anie.201309508

  • ピーナッツはミルクや卵ほど保護者を慌てさせない

Peanuts don't panic parents as much as milk and eggs
26-Jun-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-06/acoa-pdp062314.php
Annals of Allergy, Asthma and Immunologyに発表された研究によると、食物アレルギーの子どもをもつ親が最も心配しているのはミルクや卵で、最も重い反応を誘発するピーナッツや木の実ではなかった。アレルギーに関する認識は必ずしも正確ではない。