食品安全情報blog過去記事

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その他

シドニーモーニングヘラルド
Grave concerns over mentally ill accessing euthanasia sites: campaigner
July 8, 2014
http://www.smh.com.au/national/health/grave-concerns-over-mentally-ill-accessing-euthanasia-sites-campaigner-20140707-zsz7z.html
Dr Philip Nitschkeが、終末期の病気ではない45才の男性の安楽死を手伝ったことをオーストラリア医師会などが批判。パースのNigel Brayley氏が安楽死薬を使って死亡した件は警察が妻による殺人疑いで捜査している。Dr NitschkeはBrayley氏は理性的判断能力を失っていなかったし精神科医を紹介する義務はないとしている。
Dr Rodney Symeは長い間Dr Nitschkeによるウェブやセミナーでの安楽死情報提供に懸念を抱いてきた。Dr Nitschkeには3件の医事当局による審問がある。
Dr Philip Nitschkeはオーストラリアでの安楽死法成立の立役者で、世界初の合法的、自主的、致死的注射をした人。
(ドクターキリコ。英語では"Dr Death"
http://en.wikipedia.org/wiki/Philip_Nitschke

  • 今時の子どもは親の世代より早く死ぬ?

Will today's children die earlier than their parents?
By Laura Gray BBC News
8 July 2014
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-28191865
Michelle Obama や Jamie Oliverなどが、肥満のせいで今時の子どもは親の世代より早く死ぬと言うがその考えのもとは学術研究である。しかし全ての専門家がそう確信しているわけではない。肥満が増えたのは事実である。肥満に関連する病気が増えたのも事実である。しかし肥満に関連する心臓発作と脳卒中は減っている。英国では、過体重により引き起こされる病気で死亡する可能性は1/4に減っている。30年前、中年の心臓発作と脳卒中での死亡リスクは16%だったが2010年は4%である。この傾向は世界中で観察されていて、一部は医療の進歩による。疫学者Katherine Flegalによる97の研究の解析では国際基準で「過体重」(BMI 25-30)とされる人は「正常」体重の人より死亡率が6%少ない。昨年American Medical Journalに発表されたこの研究は、体重に注意しろと言い続けてきた一部の公衆衛生専門家から激しい批判を浴びた。一方で他の研究者らはFlegalの仕事を受け入れた。
肥満であろうとなかろうと、世界中の人々は昔より長生きしている。もしあなたが戦争やHIVや大酒飲みでないなら死亡率は下がるだろう。世界中で50才より前に死亡する可能性は40年前の半分である。もちろん国により違う。イランはめざましい改善をみせたがサハラ以南のアフリカはあまり変わっていない。ただ長生きしてもQOLは低いかもしれない。アメリカ人は長生きした寿命をたくさんの病気とともに暮らす。長生きした分を楽しく暮らしたいというのはパイを投げ捨てる理由には十分だろう。

  • 報告:エリートアスリートはわずか12才の若さでドーピングしている

Report: Elite athletes as young as 12 are doping
8th Jul 2014
http://www.centraltelegraph.com.au/news/report-elite-athletes-young-12-consider-doping/2312106/
政府のアンチドーピング研究プロジェクトの新しい研究によると、エリートアスリートのパフォーマンス強化薬物使用は「比較的よくある」
研究者は3年の研究で12-17才の900人以上のアスリートにインタビューし、約4%が薬物を使用していることを見いだした。過去10年で薬物使用が増加しているため、我々の将来のスポーツスターのために検査や教育強化を検討すべき時である。
(日本でも子どもにサプリを薦めるスポーツ指導者を何とかして欲しい。)

  • 怪しげな(種子の)話:中国の研究者が特許のあるトウモロコシを盗んだ、と米国の検事が主張

ScienceInsider
Seedy tale: Chinese researchers stole patented corn, U.S. prosecutors allege
By Mara Hvistendahl 7 July 2014
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2014/07/seedy-tale-chinese-researchers-stole-patented-corn-u-s-prosecutors-allege
裁判所の文書によると、中国の農業会社Dabeinong Technology Group Co. (DBN)とその子会社が、米国中西部のトウモロコシ畑に潜入してDuPont Pioneer, Monsanto,および LG Seeds社が開発したトウモロコシを盗むあるいは違法に入手していたという。
中国では種子の開発は主に公的機関が研究していて民間は資金があまりない。世界中で植物の交配研究にはゲノミクスや分子マーカーが使われているが中国ではこの分野は研究者はあまり盛んでない。
DuPont Pioneerは中国企業と協力して中国でトウモロコシ系統を開発しているが、政府が外国企業にコントロールされることを恐れて販売を認めていない。そのような厳しいコントロールがあるため民間企業が中国に入る余地はあまりない。

  • Tracey Brownを招いて:科学を理解するために根拠を尋ねて

Oxbridge Biotech Roundtable
Hightable with Tracey Brown: Asking for Evidence to make Sense about Science
Saturday, 5th July 2014
Featured, Hightable
http://www.oxbridgebiotech.com/review/careers-2/hightable-tracey-brown-asking-evidence-make-sense-science/
Sense about Scienceの代表として10年活動してきて最近本も出したTracey Brownとの対話。OBRのHephzi Tagoeがインタビュー。
成功の秘訣は?
私たち自身に厳しかったからだと思う。自己満足が大嫌いで、本当に前進しているか常に問うてきた。
あなたの仕事の一番エキサイティングなところは?
対外的には旋風をおこし、人々の生活に寄与し問題を解決しようとし、その結果私たちの周りの世界が変わること。ある会社が根拠を示すようになるという小さいことから国の政策が変わるなどの大きなことまで。
内側では私たちのチームや何千人もの研究者ネットワークが困難な課題に取り組んでよくやっているのをみるのが大好き。
代表としての日常はどんなもの?
朝はいつも不安。せっかくの計画がダメになったり朝のニュースで誰かが助けを求めたり。午前中に書き物をして午後に会議をするのがすきだけれど常に変化することを扱っているので柔軟に対応する必要がある。
All Trialsキャンペーン(全ての臨床試験は登録し開示されるべきという活動)はどう?
最初の年に世界中の400以上の団体が署名して相当な進歩があった。でももっと必要
戦う価値のある課題はどうやって決める?

あなたは人々に根拠を尋ねようと薦めている。これについては?
まず、単純に尋ねよう。多くのヒトが実行し薦めている。そして回答を集めている。しっかりした根拠のある主張もあればそうでないものもある。
今年後半はもっと強力に推進する。
一般の人にしっかりした科学やエビデンスについて教育する時に直面する主な課題は?
根拠について議論することを避ける当局がある。根拠と政策があわないときには説明が必要だがそれをだれもしたがらない。私たちもまちがうことはあるだろうが明確にしなければならない。
この分野に興味のある若者への助言は?
どんな専門分野からでも参加できるが、エビデンスとその限界についての理解は必要。
Sense about Scienceの将来は?
国際的に、もっとたくさんの人を参加させたい。それは楽な仕事ではないけれど、世界をよくするために何かをするのは毎朝目覚めるためには良いこと。

  • MMRワクチン:自閉症との関連を根拠に訴訟を進めた弁護士が訴えられる

MMR vaccine: lawyers sued for pursuing claim based on link to autism
theguardian.com, Thursday 26 June 2014
http://www.theguardian.com/society/2014/jun/26/mmr-autism-lawyers-sued-hodge-jones-allen-claim-legal-aid
1人の男性が、MMRワクチンについての欠陥のある研究を根拠に「望みのない主張」を進めたとしてもと弁護士チームを訴えた。ワクチン接種3年後に自閉症と診断されたMatthew McCaffertyは裁判をおこしたがその裁判は勝つ見込みのないものだった。Hodge Jones & Allen法律事務所が、お金を目的に裁判を薦めた。Andrew Wakefieldが自閉症MMRワクチンの関連を主張する、後に取り下げられた論文を発表してから、2003年に、1000以上の家族が集団訴訟に参加した。この訴訟には1500万ポンドが費やされたと推定される。賠償金数十億ポンドが得られると想定されていて、訴訟に参加した家族も期待してたくさんの費用を負担した。ジャンクサイエンスを根拠にしたメディアの無責任な熱狂もあってみんな希望をもっていたが、だれも、1ペニーすら得られなかった。McCaffertyは期待できない裁判のために支払った費用や苦痛や不便さなどの補償を求めている。
(悪徳弁護士は弱者のみかたのふりして近づいてくる)