Statement on long-term neurological, neuropsychological and psychiatric effects of low-level exposure to organophosphates in adults
2014
http://cot.food.gov.uk/sites/default/files/cot/cotstate.pdf
急性中毒をおこさない量のコリンエステラーゼ阻害作用のある有機リンへの暴露により成人で神経学的、神経心理学的、精神医学的有害影響がおこるかどうかを検討した。1999年に検討したときには根拠は結論を下せないと判断された
2013年9月までの文献を検索した。1999年以降有機リンの低濃度暴露に関連した末梢神経障害についての論文が13報発表されている。1999年時点にあった13報とあわせて、現状の根拠からは有機リンの低濃度暴露は明確な末梢神経障害長期リスクはないことを示唆する。この結論は時間経過に伴って強化された。
長期低濃度暴露による感覚閾値への有害影響について不確実性はあるもののもし影響があったとしても小さいだろう。体知覚誘発電位や筋電図検査についての研究は少数で質に問題がある。全体としてはハザードを示唆しないが根拠は貧弱である。脳波や聴覚/視覚により誘発される電位と有機リン低濃度暴露については研究が少なく有害影響があるという兆候はほとんどない。
神経心理学的影響については1999年以降22の研究が発表されているが全体として認知機能に有害影響があるという一貫した根拠はない。もしあったとしてもその影響は少なくとも大部分の場合僅かなものであるに違いない。急性中毒の症状がない量で脳の長期構造変化を引き起こすという根拠は不十分である。
パーキンソン病リスクが上がるという根拠は不十分。認知症についてはさらなる研究が必要。
鬱や不安などの精神疾患について1999年以降の10を含む14の研究があるが関連を示す一貫した根拠はない。全体として自殺リスク増加にはつながらない。
個々の研究には限界があるが、現在の根拠は低用量の有機リンに暴露された人々に過剰な複数の神経心理学的症状があることを示唆する。しかしこれは「慢性有機リン誘発性神経心理疾患」の存在を支持しない。観察されている過剰な症状は化合物の毒性によるのか心理的メカニズムによるのかは不明である。有害な可能性のある化合物に暴露されたと知っている人の方が症状を報告しやすい。パラオキソナーゼ酵素の活性と症状の関連については明確ではない
全体的に前回の結果を再確認するものである
(呪いをかけるのに一生懸命な人が増えると患者が増える。呪いを解くにはお祓いが有効で、いい商売になる)