食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 文脈が重要

Context is crucial
Sense About Science
Grace Gottlieb 09 September 2014
http://www.senseaboutscience.org/blog.php/104/context-is-crucial
「睡眠不足は鬱と関連」「離婚は喫煙に関連」「母親の食事が子どもの肥満に関係」
この手の見出しをよく見る?新聞や健康情報サイトや最新の「スーパーフード」の宣伝はいつも新しい「関連」が発見されたと主張する。しかし関連には文脈が必須なのでこの種の見出しを見たときには少し慎重に情報を探ったほうがいい。
問題は「関連がある」ということが因果関係があるかのように仄めかされることである。例えば(natureに発表された)明かりをつけたままで寝ることと子どもの近視に関連があるという報告は、明るいところで寝かせると近視になると考えたくなるが、実際には近視の親の子どもは近視になりやすく、近視の親が子ども部屋の明かりをつけっぱなしにしがちであるということであった。相関関係と因果関係を見分けるには文脈が重要である。基本原則は「相関関係は因果関係を意味しない」である
量の問題
今や赤ワインに含まれるレスベラトロールが長寿やがん予防に「関連」することが常識になった。では赤ワインを飲めば長生きでがんにならなくなるか?残念ながらそうはならないだろう。動物実験や培養細胞での根拠はいくらかあるが、ヒトでの影響はほとんどわかっていない。そしてこれらの実験で使われている濃度は赤ワインから取れる量より遥かに多い。したがって赤ワインを飲んでもがん予防にはならないだろう。
レスベラトロールは化粧品の「アンチエイジングの秘薬」としても宣伝されている。生化学会のCat Ball博士がある製品について根拠を尋ねたところ、レスベラトロールを含む溶液をマウスに与えたら寿命が伸びたがそれがレスベラトロールのせいかどうかははっきりしないという論文を渡された。
用量は文脈の一部でしかない。美容ブランドのコーダリーの創始者であるMathilde ThomasがDaily Mirrorに抗酸化物質が多く含まれるのでブドウを食べるべきだと助言していたので私はコーダリーに根拠を尋ねた。すると抗酸化物質が酸かを阻害する、というので、「そうではなく、ブドウの種子にポリフェノールが多いことがわかっている。なぜブドウを食べたり塗ったりすると酸化が抑制できるのか、食べるのと塗るのは同じなのか、それは「美しくなる」ことなのかを尋ねている」と聞いたら根拠は出さなかった。
根拠を尋ねることは役にたつ
次にあなたが「関連」についての話や普通でない主張を目にしたら、文脈を明らかにするために根拠を尋ねると良い。途方もない主張には途方もない根拠が必要である。

カナダ心臓脳卒中財団意見書
Sugar, Heart Disease and Stroke
Last updated September 2014.
http://www.heartandstroke.com/site/c.ikIQLcMWJtE/b.9201361/k.47CB/Sugar_heart_disease_and_stroke.htm
カナダ人は総カロリー摂取量の13%を添加された糖から摂取している。これが心疾患や脳卒中による死亡に寄与している。最も多い砂糖摂取限は砂糖入り飲料である。砂糖入り飲料に100mLあたり5セントの課税を求める。

  • MLMについての真実(という情報提供サイト)

The Truth about Multi-level Marketing
http://www.mlm-thetruth.com/
2013年FTCに提供されたMLMについての苦情
COMPLAINTS Filed With the Federal Trade Commission about MLMs In 2013
http://www.mlm-thetruth.com/files/2414/0735/8897/Complaints2FTCin2013-reMLM-8-2-14.pdf
ハーバライフアムウェイニュースキン相変わらず。商品を販売しないタイプのものも。
100以上の会社に900以上の申し立て。内容はいろいろで売り上げが伸びない場合は自分で買えと強要された、値段が高すぎる、健康に良いという嘘、等
FTCには全ての違法行為を取り締まることはできない

  • FTCがDr. Ozが大々的に宣伝したダイエット錠剤会社に罰金を科した。医学界はどう反応するか?

ワシントンポスト
The FTC fined a company pushing diet pills touted by Dr. Oz. Will the medical world weigh in?
By Abby Phillip September 9
http://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2014/09/09/the-ftc-fined-a-company-pushing-diet-pills-touted-by-dr-oz-will-the-medical-world-weigh-in/
FTCがグリーンコーヒー抽出物を売っていた会社に350万ドルの罰金を科した。この錠剤はテレビドクターMehmet Ozが大々的に宣伝したものであるが医学界はこの医師が詐欺行為を行ったという問題に対して沈黙している。
Dr. Oz.はテレビで「この小さな豆は科学者があらゆるタイプの肥満の魔法の減量法だと言っている」と語っていた。FTCの消費者保護局のJessica Rich局長は「Applied Food Sciences社はこのいい加減な研究は何一つ証明していないことを知っていたはず。これを論文として発表することでグリーンコーヒーブームに火をつけるのに役立った」と述べている。Applied Food Sciences社は罰金に加えて根拠の立証を要求されているが、Dr. Ozについてはどうだろうか?あるいは他の疑わしい減量製品を宣伝していた人たちは?医師には科学的根拠に基づいた情報を提供する倫理的責任はないのか?何度も何度も米国医師会にこの質問は投げかけられている。
今年初めにはOzに免許を与えたニューヨーク州医師会に対して1人の医学生がこの種の医学の詐欺に対応するよう求めるキャンペーンを始めた。医師会はまだこの問題に対応していない。医師会のコメントは「我々は任意団体なので会員が何かをするのを強制できない」というものだ。