食品安全情報blog過去記事

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その他

  • Elizabeth Whelan博士追悼

A tribute to Dr. Elizabeth Whelan, 1943-2014
September 12, 2014
http://acsh.org/2014/09/tribute-dr-elizabeth-whelan-1943-2014/
ACSHの創設者で1978年から会長のElizabeth Whelan博士が昨日亡くなった

  • 「血液型と認知症リスクの高さに関連?」

Senseaboutscience
"Is blood type linked to higher risk of dementia?"
12 September 2014
http://www.senseaboutscience.org/resources.php/163/quotis-blood-type-linked-to-higher-risk-of-dementiaquot
9月11日にDaily Expressに掲載された記事の見出しは「希な血液型は認知症リスクの高さと関連」だった。実際には記事が伝えた研究は認知症をしらべたものではない
アルツハイマー学会Ian Le Guillou博士
見出しの主張とは違って研究者は認知症と血液型の関連を調べたのではない。発表された結果はAB型の人が認知機能不全率が高いことを示唆したもので認知症との関連を示したものではない。一般論として認知機能不全の人は認知症発症率が高いがそうならない人も相当いる。この研究で調べられた人たちが認知症になったかどうかはわからない。
認知症の発症リスクを増やす要因のいくつかはわかっている:喫煙、肥満、高血圧など。血液型を心配するより活動的で健康的なライフスタイルによりリスクを下げることができる。

  • 地域の革新における保健委員会の歴史的役割 ニューヨークの炭酸飲料サイズの事例

The Historic Role of Boards of Health in Local Innovation
New York City’s Soda Portion Case
Lawrence O. Gostin et al.,
JAMA Viewpoint | September 15, 2014
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1906158
オープンアクセス
米国人の34.9%が肥満で2003年から2012年の間にあまり変化がない。現在の政策が上手くいっていないため新しいアイディアが必要とされている。ニューヨーク市保健委員会(NYCBH)は炭酸飲料のサイズ制限という新しい方法を提案したが2014年6月に州の高裁が、委員会には権限がないとして却下した。
地域の保健機関:革新と政治的障壁
一食あたりのサイズと肥満
健康的生活を薦めるための地方の力
公衆衛生の「アート」と「科学」

  • 70才以上の女性の乳ガンスクリーニングは進行がんの減少をもたらさない、オランダの研究

BMJ Research News
Screening women over 70 for breast cancer does not produce expected fall in advanced disease, Dutch study finds
BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g5664 (Published 15 September 2014
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g5664
オランダの乳ガンスクリーニング計画により高齢の女性を含むことは進行がんの減少につながらなかった。高齢女性のスクリーニングは過剰診断と過剰治療につながるだろう。
オックスフォード大学根拠に基づいた医療センターでの「過剰診断予防学会」の開催にあわせてBMJに発表。
オランダでは1998年に乳がんのスクリーニング対象年齢を69-75才まで拡大した。この年齢の女性について効果があるという根拠はなかったので、研究者らは1995年から2011年の新規乳がん(浸潤性・非浸潤性)全症例を追跡した。スクリーニングの導入前後で比較した。スクリーニングにより70-75才で新たに乳がんと診断される症例は急激に増加した(10万人あたり248.7から362.9)が悪性のがんの発症率減少は小さかった(10万人あたり58.6から51.8人)。これらの数値から70-75才の進行がんを1例検出するために20人が過剰診断されることになると計算。
これはBMJの過剰診療啓発キャンペーンの一環
Too Much Medicine
http://www.bmj.com/too-much-medicine
(このキャンペーンはしばらく前からやっている。甲状腺結節スクリーニングなんてまさしく過剰診療の害の方が大きい典型例。日本には神経芽細胞腫のスクリーニングの事例もあるのに。日本乳癌検診学会のトップが2010年の見解というのもどうよ。)

  • 高タンパク質食は血圧を下げる

Study finds high protein diets lead to lower blood pressure
11-Sep-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/bumc-sfh091114.php
American Journal of Hypertensionに発表された研究。Framingham 子孫研究の健康な参加者のタンパク質摂取量と11年間の高血圧発症を解析した。動物性でも植物性でもタンパク質の摂取量の多さは血圧(収縮期・拡張期)の低さと関連した。1日平均100g以上のタンパク質を摂取している人たちはは最も少ない群に比べて40%高血圧リスクが低い。

  • 砂糖と健康

Heart and Stroke Foundation(心臓脳卒中財団:カナダ)
Sugar and your health
September 2014
http://www.heartandstroke.com/site/apps/nlnet/content2.aspx?c=ikIQLcMWJtE&b=4016859&ct=14183373
砂糖を減らすように助言
添加された糖については総摂取カロリーの10%までを推奨

  • 研究:高脂肪乳製品を食べることは2型糖尿病リスクを下げる

Forbes
Study: Eating High-Fat Dairy Lowers Type 2 Diabetes Risk
David DiSalvo 9/15/2014
http://www.forbes.com/sites/daviddisalvo/2014/09/15/study-eating-high-fat-dairy-lowers-type-2-diabetes-risk/
最近高脂肪食について好ましい報道が相次いでいる。今週は欧州糖尿病研究学会で発表されたスウェーデンの45-74才の約27000人を14年追跡した研究である。全部で2680症例の糖尿病が診断された。クリームや全脂肪乳を含む高脂肪乳製品を1日8単位以上食べていたヒトの糖尿病発症リスクが1日1単位以下のヒトより23%低かった。低脂肪乳製品では同じような影響は見られなかった。Diabetologiaに発表予定。

  • 5:2ダイエットについての議論再燃

SMH
Debate fires up again about the 5:2 diet
September 16, 2014
http://www.smh.com.au/lifestyle/diet-and-fitness/debate-fires-up-again-about-the-52-diet-20140915-10h2vu.html
今週英国の科学者Michael Mosley博士の著書が7チャンネルのサンデーナイトで放送されたため議論が活発化した。5:2ダイエットは週に連続していない2日、低カロリー(500-600Cal)で過ごすというもの。
どんなダイエット法で成功したという報告でも、最も重要なのはそれが長続きして害がないということである

  • 西オーストラリアの機関がサメを見逃してやる

Natureニュースblog
Western Australian agency lets sharks off the hook
12 Sep 2014
http://blogs.nature.com/news/2014/09/western-australian-agency-lets-sharks-off-the-hook.html
西オーストラリア環境保護局が議論のあるサメの駆除を生物相への影響が不確実だとして中止した。泳いでいた人やサーファーが何人も殺されたために昨年州当局が問題のビーチや沿岸のサメを減らすと述べた。この計画が環境保護主義者や海洋保存主義者たちから激しい抗議を受け、科学者は特にオーストラリアのホホジロザメについて心配した。