食品安全情報blog過去記事

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「調査捕鯨」についての決定−専門家の反応

SMC
‘Scientific whaling’ decision – experts respond
September 19th, 2014.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/09/19/scientific-whaling-decision-experts-respond/
国際捕鯨委員会IWC)が日本の調査捕鯨計画を制限する決議をした。しかし日本代表はそれでも行うと言っている。
スロベニアでの4日間の会議で、委員会はニュージーランドによる、鯨についての科学研究に殺さない代わりの方法を検討することを求め、調査捕鯨計画をさらに制限する提案を可決した。賛成35、反対20、保留5だった。
先にオーストラリアがニュージーランドの支持を得て日本の捕鯨は科学ではないと国際司法裁判所(ICJ)に訴え、ICJは日本の調査捕鯨が科学的ではないと3月に判決を下している。この判決文も提案に添付された。
この決議を受けて日本は許可がないまま2015年から新たな捕鯨を開始すると発表した。
この発表にニュージーランド代表は残念だと語った。
SMCは以下の専門家のコメントを集めた
オークランド大学沿岸海洋科学共同大学院Rochelle Constantine博士
日本が南洋で捕鯨を続けIWCによる評価に合意しないという発表は残念だが驚くべきことではない。ICJは日本の調査捕鯨研究JARPAIIの欠点を明確に指摘しているが、日本政府はこの決定を別の意味に解釈している。日本の鯨科学者は鯨の食事や生殖や生態系への影響などの疑問に答えるために殺さなければならないという説得力のある根拠を全く提供していない。ニュージーランドを含む10ヶ国の共同研究ではテレメトリーや生検、音や写真による個体識別と検体の分析によりたくさんの答えが得られることを明確に示している。SORP研究プロジェクトの科学者は日本に殺さない方法での研究を強く薦めている。
日本の2014-2015捕鯨計画が研究を偽装して不必要な鯨を殺すことになるだろう。
Victoria University of Wellington法学部上級講師Joanna Mossop,
今年3月にICJは日本が科学研究計画の基準に従っていないことを発見している。裁判所の決定が何を意味するのかを確認するのが重要だろう。科学研究のために殺してはいけないと言っているのではない。IWCの議決も加盟国を縛ることはできない。日本の捕鯨計画が科学的ではないと判断すればまたICJに判断を仰ぐことになるであろう。計画次第ではICJが今度は日本を支持するかもしれない。しかしICJはIWCによる捕鯨に関する論争を仲介する羽目になっていることを嫌がっている。
オタゴ大学動物学部Liz Slooten准教授
同じ会議でニュージーランドはマウイのイルカを十分保護していないと批判されている。これは国際的主張と自分の領海での行動が矛盾していることを強調する。ニュージーランドが南洋の数万頭のミンク鯨を守りたいと思うことを批判する国は日本以外はないだろうが、同じ国がたった55頭のニュージーランドにしかいないマウイのイルカをあまり守っていないことに驚くだろう。マウイのイルカは絶滅危惧にある。イルカの主な死因は漁網であり、避けられる。
(日本は「科学」を言い訳にしてるはずなのに国内報道は食文化どうこう一色で、そんなんだから支持されないのは当然。あきれる。)