食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • 中西部の4つの米国保護地域での両棲類集団の状態についての指標とそのアトラジン暴露の可能性

Indicators of the Statuses of Amphibian Populations and Their Potential for Exposure to Atrazine in Four Midwestern U.S. Conservation Areas
Walt Sadinski et al.,(USGS(米国地質調査所)の研究者)
PLoS ONE 9(9): e107018. doi:10.1371/journal.pone.0107018
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0107018
トウモロコシ栽培地域から距離の異なる湿地の両棲類を繰り返しサンプリングし測定した結果。ヒョウガエルLithobates pipiensの奇形はトリアジンの濃度とは関連がなく吸虫感染と関連がある。吸虫感染とトリアジン濃度は関連がない。トリアジン濃度はトウモロコシの栽培地域に近い方が高い。結論として両棲類の苦闘はトウモロコシの栽培とはあまり関係なくそれぞれで、アトラジン暴露の生態影響は複雑である。
(何の話かというとアトラジンがカエルを滅ぼすというTyrone Hayesの主張はフィールドでは根拠がない、ということ)

  • シブトラミン含有減量コーヒーを使用したことによる命に関わる精神病

[Life-threatening psychosis caused by using sibutramine-contaminated weight-loss coffee].
Bertholee D, et al.,
Ned Tijdschr Geneeskd. 2013;157(51):A6676. Dutch.
Brazil Potent Slimming Coffeeを使用した43才女性がナイフで自分の腹を刺した症例

  • ニンニクを密着させたことによる化学火傷

Chemical burn caused by topical application of garlic under occlusion.
Xu S, et al.,
Dermatol Online J. 2014 Jan 15;20(1):21261.
http://escholarship.org/uc/item/88v527wg
オープンアクセス
自然療法としてニンニクを使ったための41才男性の重症化学火傷の症例。
ニンニクと塩でペーストを作ってラップで3時間。写真がある

Selenium for preventing cancer.
Vinceti M, et al.,
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Mar 30;3:CD005195. doi
一部のがんでセレニウム暴露と負の関連が観察されているがこれを因果関係の根拠とみなすことはできず解釈には注意が必要である。逆相関、無相関、相関など矛盾する結果が報告されており最近の研究では利益がなく一部の試験では有害影響が示唆されている。セレニウムサプリメントがヒトでがんを予防するというしっかりした根拠はない。
2011年のレビューの更新

  • GIANT研究は身長に関連する多数の遺伝子を発見

GIANT study reveals giant number of genes linked to height
5-Oct-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-10/bch-gsr100214.php
これまで最大の国際共同研究により400以上と2倍になった
300研究機関以上が参加し25万人以上を対象にした過去最大規模のゲノムワイド関連研究(GWAS)は、身長に影響する遺伝子の数を約2倍の400以上に増やした。Nature Geneticsの10月5日号に発表。
身長はヒトの遺伝学の理解のモデルとして、測定が簡単で約80%が遺伝子で決まると推定されていることから選ばれている。
(わずか数十程度の遺伝子検査が占いレベルである理由)