食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 害をなさないこと:小児科医が安全に検査や治療を減らすことを呼びかける

Do no harm: Pediatrician calls for safely cutting back on tests, treatments
6-Oct-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-10/aaop-dnh100314.php
米国小児科学会総会での「安全により少ない治療を:医療の過剰使用流行の解決法」というセッションでのAlan R. Schroeder医師の発表。
親は病気の子どもを病院に連れてきたとき、しばしば検査や治療を期待している。だから医師が何もしなくても数日もすれば良くなると言うと「CTスキャンはしないのか?」「抗生物質を出してくれないの?」と聞かれることがあるだろう。家族や、時に医師が、理解していないのが多くの医療行為は「念のため」に行われていて不必要なだけではなく費用がかかっていてさらに患者にとって有害である可能性があるということである。
Choosing Wiselyキャンペーンを紹介。

  • 母親は帝王切開を避けて自宅出産を希望した、と審問官は語った

Mum hoped to avoid caesarean, home-birth inquest told
October 07, 2014
http://www.theaustralian.com.au/news/nation/mum-hoped-to-avoid-caesarean-homebirth-inquest-told/story-e6frg6nf-1227081772586
西オーストラリアのベビーPの匿名の母親は産婦人科医の双子を自宅で出産するのは危険だという警告に反して出産の活動家であるLisa Barrettにたどり着いた、と西オーストラリアでの3人の赤ちゃんの別々の死亡についての審問で述べられた。双子のうち1人が死亡している。母親は最初は政府の出資した助産師計画のもとで出産する予定だったが双子であることがわかって断られた。その結果独立系の助産師であるLisa Barrettにたどり着いた。ベビーPは当初死産だと考えられていたが55分後に蘇生処置に反応していることから病院で生まれていれば助かったかもしれない。
ちなみに自宅出産で死亡した子どもたちを集めているサイトがある
Hurt by Homebirth
http://hurtbyhomebirth.blogspot.jp/p/homebirth-deaths-and-injuries-on-web.html
自宅出産で死亡した赤ちゃんをこれ以上隠さないで、と。
これまでのところ赤ちゃんの死亡は87人、母親の死亡は2人分記載

Brussels and its busy bees are a perfect pest
Matt Ridley
October 6 2014
http://www.thetimes.co.uk/tto/opinion/article4227789.ece
ミツバチを守るため、として導入されたネオニコチノイドの禁止がミツバチを守らないだけではなく農家の作物に被害を与えた、という主張。特に菜種でノミハムシ被害が拡大しているらしく、この秋50%の収量減とのこと。

Natureニュース
Manure fertilizer increases antibiotic resistance
Sara Reardon
06 October 2014
http://www.nature.com/news/manure-fertilizer-increases-antibiotic-resistance-1.16081
抗生物質を使わない牛の糞が土壌で耐性細菌が増殖することを助ける
PNASに発表された論文では農業における抗生物質の使用とヒト病原体の耐性との複雑な関係を示唆する。
多くの環境中の細菌は自然に抗生物質耐性を獲得する。合成抗生物質はヒトや動物の感染症治療や家畜の成長促進に使用される。堆肥は土壌の細菌コミュニティの組成を変えることがわかっているので細菌学者のJo Handelsmanらのチームは薬物耐性に与える影響についても検討した。土壌を化学肥料か抗生物質を与えたことのない牛の堆肥で処理し、前後の土壌細菌中のベータラクタマーゼ(ペニシリンクラスの抗生物質を分解する酵素)遺伝子を調べた。処理後2週間で堆肥処理した土壌は窒素肥料しか与えていない土壌より多くのベータラクタマーゼ産生細菌を含んでいた。これら細菌は土壌由来で堆肥の処理がそれらの増殖を助けたようだった。堆肥は特にヒト感染症でよくみられるPseudomonas種にとって有利であった。
ワシントン大学微生物学者Gautam Dantasは、この研究は有機農業についてもより詳細に検討する必要性を示唆する、という。「化学肥料が恐ろしくて有機栽培が素晴らしい」、と言うまえにマイナス面もよく調べる必要がある。

  • 遺伝子はIQに影響するだけではない−学校でうまくやっていくかどうかを決める

Science News
Genes don't just influence your IQ—they determine how well you do in school
By Sarah C. P. Williams 6 October 2014
http://news.sciencemag.org/biology/2014/10/genes-dont-just-influence-your-iq-they-determine-how-well-you-do-school
6000組以上の双子の研究で学校の成績は知能だけではなくモチベーションやパーソナリティ、自信、その他多くの性質に影響する遺伝子によって影響されることがわかった。この結果は子どもの教育改善のための新しい方法につながるかもしれない。
PNASに発表されたこの研究では、General Certificate of Secondary Education (GCSE)試験での成績については約62%が遺伝要因による。