食品安全情報blog過去記事

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その他

DHEA: Anti-Aging in a Bottle?
by Berkeley Wellness | October 20, 2014
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/dhea-anti-aging-bottle
緊急避妊用ピルを除き、エストロゲンやテストステロンのようなステロイド性ホルモンを薬局で処方無しに買うことはできない。理由はそれらが危険だからである。例えば閉経期のホルモン補充療法を長期間行うと乳がん脳卒中血栓リスクが高くなり、テストステロン療法は心疾患リスクを上げ前立腺がんリスクも多分上げる。
それなのにダイエタリーサプリメントとして販売されているステロイドホルモンがある−DHEA、デヒドロエピアンドロステロンである。DHEAは「スーパーホルモン」「加齢への天然の解毒剤」などと宣伝されてアンチエイジング業界で販売されている。我々はDHEAについて、強力な企業のロビー活動により規制対象薬物分類から外された10年前に報告した。カナダやその他の国ではDHEAは処方でしか使えない。
この問題の多いサプリメントについてもう一度見てみよう。
若返りの薬としての希望
DHEAは人体で最も多いステロイドホルモンで主に副腎で作られる。サプリメントはヤムイモや大豆の成分を原料に合成される。DHEAはテストステロンやエストロゲンに変換されるので「親」あるいは「マスター」ホルモンと呼ばれる。しかしDHEAを飲んだ影響は誰でも同じというわけではない。生化学反応は複雑で結果は予想不可能である。DHEAには変換された他のホルモンではない独自の作用もあるようだ。
25才を過ぎるとDHEAの生産量は減り70才までには約80%減る。ある種の疾患があるとより早く減る傾向がある。他のホルモンや化合物も加齢とともに減り、それらもアンチエイジングサプリメントとして宣伝販売されている。しかし若いときに多いからといってそのサプリメントを摂れば若返るあるいは加齢が遅くなるとは限らない。
試験する
DHEAについては非常に多くの研究がある。全体として、骨ミネラル密度のほんの僅かな増加の可能性を除き、アンチエイジング宣伝を支持しない
(略)
基本
我々はDHEAサプリメントは摂らないよう強く薦める。メリットは証明されていないのにリスクの可能性は甚大だからだ。医療用に使える事例はあるかもしれないがその場合は医師が処方するだろう。DHEAが医薬品同様に規制されていないことに合理的理由はない。サプリメントとして販売されているので、もしそれを摂る場合にはその製品に含まれているものが本当にDEHAなのかどうかもその量も知ることはできない。

  • 魚の話(大げさな話):新しい研究は養殖魚の抗生物質含量を評価する

Fish tale: new study evaluates antibiotic content in farm-raised fish
October 20, 2014
http://www.biodesign.asu.edu/news/fish-tale-new-study-evaluates-antibiotic-content-in-farm-raised-fish
アリゾナ州立大学のHansa Done博士候補と Rolf Halden博士が11ヶ国のエビ、サーモン、ナマズ、マス、ティラピア、swaiなどの抗生物質を調べた。調べた47の抗生物質のうち、オキシテトラサイクリン、4-エポキシテトラサイクリン、スルファジメトキシン、オルメトプリム、バージニアマイシンの5つが検出可能だった。バージニアマイシンが検出された養殖サーモンには「抗生物質フリー」と書いてあった。最もよく検出されたのはオキシテトラサイクリンで、「メキシコ産天然エビ」と書いてある製品からも検出された。ただしFDA規制違反はなかった。

  • キャンペーンによりベトナムのサイの角需要が減った

NewScientist
Campaign blunts Vietnamese demand for rhino horn
20 October 2014 by Andy Coghlan
http://www.newscientist.com/article/dn26415-campaign-blunts-vietnamese-demand-for-rhino-horn.html#.VEW2R6TlpaQ
世界最大のサイの角の消費国であるベトナムで、徐々にその習慣を脱しつつある。今年8月にサイの角に医学的価値はないというキャンペーンを開始してから、世論調査でサイの角を使い続けるという人の割合が減った。2013年のCITESサミットではサイの角の販売に関与している国としてベトナム南アフリカモザンビークチェコが名指しされた。そのためベトナム政府がサイの角の医療効果についての神話を否定するキャンペーンを行っている。サイの角はがんやリューマチに効くと信じられている。

  • 温め直したパスタは太りにくい?

BBC
Is reheated pasta less fattening?
15 October 2014 Last updated at 23:15
http://www.bbc.com/news/magazine-29629761
Trust Me, I'm a Doctorシリーズの実験で予期せぬ結果が出た。パスタは炭水化物で、炭水化物は消化されると単糖になって血糖値を上げる。するとインスリンが出て血糖値を下げ、またお腹がすく。でももしパスタやジャガイモの成分を食物繊維のようなものに変えられたらどうなるだろう?それができそうなのだ。パスタを調理して冷やすと構造が変わって「難消化性デンプン」と呼ばれるものになる。そうすると血糖値の上昇が緩やかになる。問題は多くの人は冷たいパスタが好きではないだろうことである。では温め直したらどうなる?このことを科学者に聞いたら多分もとの難消化性ではない形に戻るだろうと言う。でも実際にやってみた人はいなかったので実験してみた。
Chris van Tulleken博士が何人かのボランティアで実験をした。彼らは温かい・冷たい・温め直したパスタを食べて15分ごとに2時間血液を採取して血糖を調べた。
どうなったか?
冷たいパスタが最も消化が悪いというのは確かだった。でも予期せぬことがおこった。温め直したパスタは血糖値の上昇を50%下げたのだ。
Dr Denise Robertsonは現在糖尿病UKの研究資金を得て研究を継続している。
Chris博士はほんとうにびっくりした。残り物の方が健康的かも、なんて。
(冷たいパスタは料理してから一晩おいたもの)

  • ハワイでのGMOと農薬を巡る対決

米国農業会連合のサイト
The Showdown Over GMOs and Pesticides in Hawaii
October 15, 201  By Chris Manfredi (ハワイ農業会会長)
http://www.fb.org/index.php?action=newsroom.focus&id=174
バイオテクノロジーと農薬使用に反対する過熱したキャンペーンでハワイのよく働く農家や牧場主が活動家団体の標的とされている。栽培期間が長いことからハワイにはいくつかの種苗会社があり、そのおかげでかつてはパイナップルとサトウキビのプランテーションがメインだったこの地域がハイテク農業生産と研究施設の地域に代わってきた。全米の反農薬反GMO活動家団体はもしハワイのこれらの農場を閉鎖させることができれば米国の他の州のバイオテクノロジーにも影響できると認識している。ハワイでは恐怖キャンペーンと感情的宣伝と意図的な嘘の拡散により間違った法律が成立した。これらの攻撃的戦略は地域コミュニティーを分断し農家を世界的とまでは言わなくても国家的戦闘に引きずり込んでいる。
カウアイ郡、条例960
ハワイ郡、法案113
マウイ郡、11月投票
(いずれもハワイの農業に重大な影響)
終わりのないプロパガンダが問題を複雑にしているが、我々はハワイや本国の人々が農業を続けるために必要なツールを使い続けられるよう、農家を支援することを選ぶことを希望する。

  • ゲノム編集−それは遺伝子組換えか?

Senseaboutscience
Genome editing - is it genetic modification?
http://www.senseaboutscience.org/pages/gene-editing.html
最近のゲノム編集技術の進歩は生きた細胞でDNA配列を変えることを可能にした。ゲノム編集は慣行交配法や標準的遺伝子組換えより正確で、より少ない変異で、つまり不確実性が少なく、植物を変えられる。しかし規制については明確ではない。
10月28日にバイオテクノロジー&生物科学研究評議会のRobbie Waugh教授、 Glenn Bryan博士, Jonathan Jones教授およびHuw Tyson博士 がライブQ & Aを行う。聞きたいことがあればメールやTweetFacebookで。