食品安全情報blog過去記事

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論文等

Guidelines for the Primary Prevention of Stroke: A Statement for Healthcare Professionals From the American Heart Association/American Stroke Association
Published online before print October 28, 2014,
doi: 10.1161/STR.0000000000000046
http://stroke.ahajournals.org/content/early/2014/10/28/STR.0000000000000046
オープンアクセス
脳卒中の修正不可能なリスク要因は年齢・低出生体重・人種・家族歴
変えられるリスク要因は運動しないこと、脂質異常症、食事と栄養、高血圧、肥満、喫煙、飲酒、薬物使用などがある
食事の助言としては血圧を下げるためにナトリウム摂取量を減らしカリウムを増やす、同じく血圧を下げるためにDASH食、野菜や果物を多く摂る、地中海食にナッツを加えたもの。
その他(動物性タンパク質や飽和脂肪など)については助言するほどしっかりした根拠はない

  • 砂糖入り飲料の適度な摂取は青少年の代謝上の健康にほとんど影響しない

Moderate consumption of sugary drinks has little impact on adolescents' metabolic health
12-Nov-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-11/uom-mco111214.php
運動が甘い飲料を飲むことによる負の影響から保護する可能性
15-20才の健康な男女に高ブドウ糖ブドウ糖50gと果糖15g)あるいは高果糖(果糖50gとブドウ糖15g)飲料を毎日2週間飲んでもらって運動量やコレステロール濃度、インスリン感受性などを調べた。American Journal of Clinical Nutritionに発表。飲料の影響はほとんど見られなかった。

  • 自己膨張は子どもの学校での関係にとって有害

Self-inflation harms kids' relationships at school
12-Nov-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-11/sp-shk111214.php
「自分がクラスで一番頭が良い」我々は誰もが自分の子どもには自信を持って欲しい−しかしあまりにも非現実的な自己認識は有害な可能性がある。ドイツBamberg大学のKatrin Rentzschはドイツの南東部の8年生20クラスの358人を対象に数学・物理・ドイツ語・英語の成績と行動について調査した。生徒の自己評価が現実とかけ離れて高い(○○さんより成績が良い)ほど他の生徒(○○さん)に嫌われる傾向がある。
"Self-Enhancement 2.0: An Integrated Approach to Measuring Dyadic Self-Enhancement at Two Levels," by Katrin Rentzsch and Michela Schröder-Abé, was published in Social Psychological and Personality Science online on November 12, 2014.
(そんな調査有りなんだ?ドイツでも自分は一番って思うのが望ましいんだ・・)

  • モダフィニルは健康なボランティアのヘイリング文章完成試験の完了時間を増やす:無作為対照化試験

Modafinil Increases the Latency of Response in the Hayling Sentence Completion Test in Healthy Volunteers: A Randomised Controlled Trial
Mohamed AD, Lewis CR (2014)
PLoS ONE 9(11): e110639
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0110639
モダフィニルは睡眠障害の治療薬であるが認知機能を上げる目的で健康なヒトに適用外使用されている。いくつかの臨床試験や前臨床試験でモダフィニルの認知機能増強は反応時間の遅延を伴うことが観察されているので64人の健康なボランティアで無作為対照化試験を行った。その結果モダフィニルは正確さに影響せず反応する時間を長くした

報道
スマートドラッグは賢い学生の試験成績を悪くすることを研究が示した
Smart drugs make bright students worse in tests, study shows
Nicola Woolcock | The Times | November 13, 2014
http://www.theaustralian.com.au/news/world/smart-drugs-make-bright-students-worse-in-tests-study-shows/story-fnb64oi6-1227121328782
大学生の5人に1人がモダフィニルを試したことがありOxford大学は薬物使用率の高い大学の一つである。学生は試験や宿題提出の際の集中力を高める目的で使用していると回答していて建築学科の学生の利用率が最も高く医学部が最も少ない。
この研究の結果は期待を裏切るものである。モダフィニルは目を覚ます作用があるため認知機能が上がったと間違った印象を与えるのだろう。疲れを感じなくても疲れに伴う認知機能の低下は止められない。
(モダフィニルで検索しようとするとgoogle先生が「モダフィニル 購入」を薦めてくる。犯罪だよ?)