食品安全情報blog過去記事

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論文等

  • セリアック病の謎の新しい手がかり:オート麦の毒性の原因が説明された

New clue in celiac disease puzzle: Cause of oat toxicity explained
18-Nov-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-11/waeh-nci111814.php
メルボルンの研究者らがJournal of Autoimmunityに発表した研究によるとセリアック病患者73人のうち8%のヒトがオート麦のグルテン類似タンパク質であるアベニンに免疫反応を示す。

BMJ
Marketing wearable home baby monitors: real peace of mind?
David King
BMJ 2014;349:g6639
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g6639
企業の宣伝を信じて高価な規制対象外のウェアラブルベビーモニターを買って得られる保護者の安心は幻想であろう
米国では複数社がウェアラブルベビーモニターを販売していて保護者は乳幼児突然死症候群予防のためと考えているがそのような根拠はない。米国ではこの手の商品に事前認可は必要ないが英国では不明。
(ただの思いつきみたいな赤ちゃん用品は多数あるが時にリスクが高いので注意が必要)

  • カロリー制限は加齢を遅らせる、研究が発見

Calorie-Restricting Diets Slow Aging, Study Finds
November 17, 2014
http://communications.med.nyu.edu/media-relations/news/calorie-restricting-diets-slow-aging-study-finds
Society for Neuroscienceの年次会合で発表されたStephen D. Ginsberg博士らの研究。
雌のマウスで炭水化物由来のカロリーを制限した場合、脳の加齢と記憶に関連する900の遺伝子の発現が他のマウスに比べて加齢の兆候が少なかった
(学会発表だしマウスの餌で30%減しかわからないのだが、メディアでは炭水化物抜きがいいとか果物を食べるとかいろいろ報道されている。時代のトレンドは炭水化物が悪い、なんだなぁ。)

A global surge in ADHD diagnosis has more to do with marketing than medicine
18-Nov-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-11/bu-ags111814.php
あなたはADHDに感染することはないがまるで感染症のようにADHDの診断と治療が増えている−一部の国では10倍になった。
Social Science and Medicineに発表された論文でPeter Conrad教授はこれを必ずしも医学的ではない、経済的文化的伝染病と呼ぶ。英国、ドイツ、フランス、イタリア、ブラジルのADHDの増加について検討した。つい最近まで北米がADHD診断で突出していて米国がリタリンの90%を消費していた。今でも米国でのADHD診断の増加は続いているがリタリン使用は75%だけになった。ConradらはADHDの増加に5つの傾向を見ている。製薬企業は効果的ロビー活動家であり一部の国の販売制限緩和により拍車がかかっている。精神分析が薬物治療に取って代わられている。緩い米国基準を採用している欧州や南米の国が増加した。声の大きいADHD活動団体が製薬会社と一緒に薬物治療を薦めている。そして最後にインターネットでの簡単な情報入手や自己判断などが消費者が自ら薬による治療を望むようにしている。
多くのADHD治療薬推進サイトが「集中力を維持するのが難しいですか?」といったチェックリストを提供している。これらのチェックリストはあらゆる種類の行動を「病気」にする。1世紀前にはマスターベーションは病気とみなされマスターベーション(精神)障害masturbatory insanityと診断された男女は施設に収容されたり手術されたりした。

Dietary Supplements Can Harm the Liver
by Berkeley Wellness | November 18, 2014
http://www.berkeleywellness.com/supplements/herbal-supplements/article/dietary-supplements-can-harm-liver
ハーブサプリメントについて警戒する理由がまた増えた:多くの製品が「ナチュラル」と宣伝されているが、米国消化器病学会の最近のガイドラインによると、特に高用量または長期間使用すると肝臓に有害である。さらに肝障害を誘発する薬物についても検討している。
肝臓に有害であることがわかっているハーブには、チャパラル、コンフリー、カバ、スカルキャップ、ヨヒンベ、そして緑茶抽出物がある。
肝障害と最も多く関連があるのはボディービルや減量用サプリメントである。一部の場合は加工工程で入った不純物や毒素による。

ガイドライン
特異な薬物誘発性肝障害の診断と管理
Diagnosis and Management of Idiosyncratic Drug-Induced Liver Injury
http://gi.org/guideline/diagnosis-and-management-of-idiosyncratic-drug-induced-liver-injury/
(肝障害事例の原因として健康食品はよくある。日本だとウコンがかなり多いと聞く。多分肝臓に良いという宣伝が肝臓に悪い行為をエスカレートさせるのだろう。英語圏ではウコンはそれほど人気はなく日本が突出している。)