食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • ネコの中毒予防のためもっと教育が必要、とSherwoodの議員が言う

More education needed to prevent cats from being poisoned, says Sherwood MP
By Nottingham Post | Posted: December 03, 2014
http://www.nottinghampost.com/a/story-25086974-detail/story.html
Calvertonで20以上のネコが死亡したことを受けて、火曜日に不凍液の規制について議会で審議が行われた。Mark Spencer議員はエチレングリコールの使用中止やペットが口にしないようにするためのBitrexの添加を要求したが却下された。環境大臣George Eusticeは意図的にネコなどを殺そうとする人たちの対策にはならない、という。Spencer議員は間違ってペットを中毒にしてしまった人もいると信じていて、教育が必要だと訴える。庭の噴水の水に不凍液を入れている
Antifreeze cat deaths: Minister rejects idea to stop poisonings
http://www.bbc.com/news/uk-england-nottinghamshire-30303704
(記事の写真が議員とその愛猫パースニップちゃん。そして死んでしまった猫の写真も。関連ニュース猫写真だらけ)

  • 感染症の専門家が上院ライム病法案に疑問

Infectious disease experts question Lyme disease bill before Senate
By: Helen Branswell, The Canadian Press
http://www.winnipegfreepress.com/canada/infectious-disease-experts-question-lyme-disease-bill-before-senate-284576411.html?cx_navSource=d-tiles-4
Association of Medical Microbiology and Infectious Diseases Canada が、相当数のカナダ人が慢性ライム病という病気に罹っていて診断されずに苦しんでいると主張する法案の修正を求めている。

  • オランダの飢饉時に妊娠した人々は成長遺伝子の調節が異なる

People conceived during the Dutch famine have altered regulation of growth genes
3-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/cums-pcd120214.php
1944-1945年に、オランダ西部は6ヶ月に渡る重大な飢饉に襲われた。この「飢餓の冬」には必要なエネルギーの1/4しか得られなかった。この時期に妊娠した子どもたちは正常体重で生まれたがDNAの詳細調査の結果成長ホルモンの調節が変化していた。Nature Communications.に発表。
現在60才の人たちのCpGメチル化部位を、飢餓に遭わなかった同性のきょうだいと比べた。

  • オーストラリアがん評議会

PSA検査と検査により検出された前立腺がんの初期管理についての臨床ガイドライン
Draft clinical practice guidelines PSA Testing and Early Management of Test-Detected Prostate Cancer
http://wiki.cancer.org.au/australia/Guidelines:PSA_testing
45才までは検査薦めない、50才から69才の男性でスクリーニングの有害影響とメリットを伝えた場合2年ごとに検査、残り寿命が7年以内なら検査しない、など

  • 80年代の恐怖から長く経た今でも電線への疑いは広がっている

NYT
Long After an ’80s Scare, Suspicion of Power Lines Prevails
NOV. 30, 2014
http://www.nytimes.com/2014/12/01/health/long-after-an-80s-scare-suspicion-of-power-lines-prevails.html?_r=0
もしあなたがプラズマ画面のテレビの出現前からテレビを知っている年齢なら、親から近づきすぎないようにと警告されたことがあるだろう。目に悪い、あるいは画面から放射線が出ていると。。電子レンジについても似たようなことが言われた。染髪料や携帯電話やコンピュータや関連機器など全て懸念となった。多くの場合悪いとされたのは電磁場である。子どもの白血病と電磁場に幾分かの関連が示唆される研究がある小さい子どもの白血病は少なく、ほとんどの機器の電磁場影響は微かであるため、公衆衛生への脅威はないという広範な合意があるが市民の恐怖は続いている。
一旦警鐘が鳴らされるとそれを止めることは恐ろしく困難なようだ。恐怖は現実とは同調しない。恐怖とリスク認知のバランスをとる必要がある。David Ropeikは「たくさんの現実的リスクがあることを認識する必要があるが、その一つは恐怖である」という
(いろいろ略)

  • 専門家に聞こう:低温殺菌ミルク

Ask the Experts
Low Temperature Pasteurized Milk
by Berkeley Wellness | December 03, 2014
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/low-temperature-pasteurized-milk
Q: 「低温殺菌」ミルクは普通に殺菌されたミルクと同じように飲んでも安全?健康に良い?
A:低温殺菌はいくつかの認められているミルクの殺菌法のひとつである。多数の食中毒をおこしている未殺菌ミルクより明確に安全性が高い。
通常の殺菌では高温短時間(161°F for 15秒).が用いられるが低温殺菌はより低温で長時間(145°F for 30分)加熱するため風味が良く残る。通常ホモジナイズされないためクリーム層が分離する。かつては低温殺菌が普通だったが最近小規模酪農家がより「牧場絞りたて」ミルクを求める消費者にアピールするため使っていて再び流行している。低温殺菌宣伝者は普通のミルクより健康に良いと主張するが殺菌により栄養消失などは無視できる程度である。好きでお金に余裕があるなら高価な低温殺菌ミルクを買っても良いだろうが普通のミルクより健康によいといったことはあてにしないように。
(東京都が低温殺菌のほうが菌数が多いという調査報告をしていた。消費期限が短いので高温殺菌牛乳と間違えて同じくらい平気だろうと考えると痛い目に遭うかも)

  • 本の紹介

Books in brief
Barbara Kiser Nature 516, 35 (04 December 2014)
http://www.nature.com/nature/journal/v516/n7529/full/516035a.html
禁止:農薬と毒性学の歴史
Banned: A History of Pesticides and the Science of Toxicology
Frederick Rowe Davis Yale University Press (2014)
ISBN: 9780300205176
歴史家のFrederick DavisがRachel Carsonの象徴的な1962年の本Silent Springの前後の殺虫剤の歴史を書くという野心的な課題に取り組んだ。大量の引用文献と略語と化合物名と致死量に関する技術的な議論とでDavisは農薬企業が害虫を防除するために使った化合物の鋭い歴史的展望を提供している。CarsonのDDTを禁止するという表面的なメッセージに注目して既存の農薬管理システムがしばしば不適切であるという背景にある警告を無視したシステムへの学問的告発となっている。