食品安全情報blog過去記事

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食品と飼料中のクロラムフェニコールに関する科学的意見

Scientific Opinion on Chloramphenicol in food and feed
EFSA Journal 2014;12(11):3907 [145 pp.]. 26 November 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3907.htm
クロラムフェニコールは欧州連合では食品を生産する動物には使用が認められていない抗生物質である。だが、土壌細菌により作られるため植物から検出されることがある。欧州委員会はヒトと動物の健康へのリスクに関する科学的意見と参照点0.3 μg/kgが公衆と動物の健康を守るのに適切かどうかについての意見をEFSAに求めた。国家残留物質モニタリング計画と食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)から引用した食品中のクロラムフェニコールに関するデータは、信頼できるヒトの食事暴露評価をするには限定され過ぎている。代わりにヒトの食事暴露は、動物由来の食品、酵素製剤を含む食品、および自然に汚染される恐れのある食品全てにクロラムフェニコールが0.3 μg/kg存在するというシナリオで計算された。最悪シナリオの慢性食事暴露は幼児と成人でそれぞれ11〜17、2.2 〜 4.0 ng/kg b.w./日の範囲だった。クロラムフェニコールの家畜への食事暴露は1 μg/kg b.w./日以下と概算された。クロラムフェニコールはヒトでは再生不良性貧血に関連し、動物では生殖/肝毒性を引き起こす。これらの影響の暴露マージンは2.7 ✕ 105またはそれ以上と計算され、0.3 μg/kgまたはそれ以下のクロラムフェニコールに汚染された食品への暴露は再生不良性貧血や生殖/肝毒性の影響の健康懸念とはなりそうもないとCONTAMパネルは結論した。クロラムフェニコールは遺伝毒性があるが、データ不足により発がん性のリスクは評価できない。CONTAMパネルは、飼料に使用する時、動物由来製品への残留による現在のRPAも動物の健康や公衆衛生を十分保護すると結論した。