食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文等

  • 生産物を肥育場の汚染から守るためには緩衝地帯ガイドラインは不適切かもしれない

Buffer zone guidelines may be inadequate to protect produce from feedlot contamination
23-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/asfm-bzg122314.php
Applied and Environmental Microbiologyに発表された論文によると病原体の大腸菌 O157:H7は子牛の肥育場から180 m未満の野菜を高リスクで汚染する。60mでは平均3.5%、180mでは1.8%の汚染率。

  • 消費者のケーキ、クッキー、パイの購入は24%減った

Consumer purchases of cakes, cookies and pies have decreased by 24 percent
22-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/ehs-cpo121914.php
Journal of the Academy of Nutrition and Dieteticsに発表された研究によると、2005年から2012年の間に、すぐ食べられる穀物ベースのデザート(RTE GBDs)の栄養価にほとんど変化はないが消費者の購入は24%減った。

  • ファストフードの摂取が8年生の試験点数の低さと関連する

Fast-food consumption linked to lower test score gains in 8th graders
22-Dec-2014
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-12/osu-fcl122214.php
Clinical Pediatricsにオンライン発表されたオハイオ州立大学の研究によると、最も多くファストフードを食べる生徒は全く食べない生徒と比較すると最大20%スコアが低い。約11740人の生徒を5年生と8年生の時の読み書き数学科学の試験成績と5年生の時の食事調査票を解析した。29%は一週間のうちに全くファストフードを食べず、10%は毎日食べていてさらに10%は週に4-6回食べていた。約半分が週1-3回ファストフードを食べていた。
この研究ではファストフードを食べることが成績の悪さの原因であるとは証明できない。

BMI Cut Points to Identify At-Risk Asian Americans for Type 2 Diabetes Screening
William C. Hsu et al.,
Diabetes Care January 2015 vol. 38 no. 1 150-158
2. Classification and Diagnosis of Diabetes
Diabetes Care January 2015 vol. 38 no. Supplement 1 S8-S16
http://care.diabetesjournals.org/content/38/Supplement_1/S8.full
アジア人は肥満率が高くないのに糖尿病が多いことを鑑みBMI ≥23 kg/m2で糖尿病の検査を薦める(これまでは25)

Ebola and the social media
Isaac Chun-Hai Fung et al.,
The Lancet Volume 384, Issue 9961, 20 December 2014–2 January 2015, Pages 2207
2014年10月、米国でのエボラ症例についてのニュースが広く報道されていたとき、感染リスクは無視できる程度であったが不安は大きかった。TwitterGoogleでのエボラのトラフィックをインフルエンザと比べた(インフルエンザずっと低いまま)

  • エボラ:間違った情報を修正することの限界

Ebola: limitations of correcting misinformation
Clare Chandler et al.,
The Lancet Available online 19 December 2014
西アフリカでのエボラのアウトブレイク対応にはエボラウイルス疾患とその伝染のリスク要因について啓発することが重要である。これらの努力の基本原則は「伝統的」行為と「間違った情報」によるリスクの高い行いを変えることである。エボラウイルス疾患になるリスクの高い集団には「伝統や文化をとりあえず止めて正しいことをする」よう薦められた。「エボラはウイルスが原因で、魔法や呪いが原因ではない」「科学や医学が希望であり」「伝統は死につながる」というメッセージも伝えられた。しかしこれは逆効果であった。
エボラ対応人類学プラットフォームのメンバーとして、社会に受け容れられる多様な方法を探る必要がある。