食品安全情報blog過去記事

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「規制農薬リスク評価への疫学的知見の利用」に関する関係者のワークショップ

Workshop with Stakeholders on the "Use of Epidemiological findings in Regulatory Pesticide Risk Assessment"
18 February 2015
http://www.efsa.europa.eu/en/events/event/150218.htm
近年、農薬暴露とヒトの健康結果の関連の可能性を調べた多数の疫学的研究が公開文献で入手可能になっている。これに関連して、EFSAとANSESは市民社会と当局の機関関係者から意見を集めるために、農薬疫学分野の関係者のワークショップをフランスのパリで2月18日に開催する。このイベントでは、この科学分野の最良の活用方法と、農薬リスク評価に疫学研究をどのように解釈し組み入れるかを考察する。
背景
2013年に、EFSAは系統的文献レビューに基づいたヒトの健康結果の23類型となんらかの農薬との関連を要約した外部の科学報告書と、その報告書で分析された全ての疫学研究のオンラインデータベースを発表した。2014年には、ANSES(フランス食品環境労働衛生安全庁)はINSERM(国立保健医学研究所)による専門家の共同評価報告に関する意見を発表した。INSERMの報告書は健康影響(がん、神経変性疾患認知障害抑うつ障害、生殖機能の影響、妊娠への影響、子供の発育、小児がん)の疫学的実験的な研究の科学文献レビューに基づいている。EFSAの報告書とINSERMの報告書双方で、パーキンソン病、小児白血病、その他のがんリスクを含むいくつかの健康結果と様々な暴露ルートによる農薬との間に関連の兆候(indications of positive associations)が観察された。またEFSAの報告書で、疫学研究の多数の方法論的限界が観察結果について確固たる結論を出すのを難しくしていると強調した。
現在まで、農薬暴露と健康影響に関する疫学研究の入手可能な情報は、定期的な農薬リスク評価で十分に考慮されているわけではない。EU規則Regulation (EU) No 283/2013で、農薬申請の際には申請者は、入手可能な場合は、適切な疫学研究を提出するべきだと委員会は述べている。