食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 輸入缶詰や保存果物は鉛とスズを追加検査

Canned and preserved fruit imports face extra screening for lead, tin contamination
ABC Rural By Anna Vidot
http://www.abc.net.au/news/2015-03-06/australia-increases-screening-for-canned-preserved-fruit-imports/6286328?section=act
今週初め地元の加工業者が懸念を提示したためオーストラリアは輸入缶詰めの検査を始めた
ビクトリアの加工業者SPC Ardmonaが、1年前に連邦政府に一部の輸入製品の鉛濃度が高いという根拠を提出したという。農務大臣Barnaby Joyceは木曜日に輸入ピーチの追加検査をすると発表した。農務省は全ての国からの全ての種類の輸入缶詰及び保存果物にスクリーニング強化を適用することを確認した。
缶詰及び保存果物は「監視対象輸入品」に分類されていて5%の検査率で検査されていてそのことに変更はない。ただ検査項目に鉛とスズを加える。
FSANZは、これはコンプライアンスの問題で公衆衛生や安全上の問題ではない、としている。
(Government's 'woeful' and 'shameful' testing of imports costs Australians: SPC
http://www.abc.net.au/news/2015-03-04/spc-ardmona-country-labelling-food/6280464
過去記事によるとSPC Ardmonaは海外産の安い製品に市場を奪われていて国産を買ってもらうための産地表示義務化と国産がいいものだという運動をしていた。最近中国産冷凍ベリーによる食中毒の発生で国産を買おうという運動に弾みがつき、鉛とスズを標的にしたようだ。スズは缶詰の缶由来のものがたまに検出される、鉛は低濃度ならいろいろなものから検出される)

  • EUの内分泌撹乱化学物質(EDCs)推定コストを報告した一連の研究への専門家の反応

SMC
expert reaction to series of studies reporting estimated cost to the EU of endocrine-disrupting chemicals (EDCs)
March 5, 2015
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-series-of-studies-reporting-estimated-cost-to-the-eu-of-endocrine-disrupting-chemicals-edcs/
Journal of Clinical Endocrinology and MetabolismがEUの内分泌撹乱化学物質のコストを推定した一連の論文を発表した
Edinburgh大学男性生殖健康研究チームリーダーRichard Sharpe教授
科学に存在する不確実性を、政治家や資金提供者にわかりやすい何かに変えてもっと多くのお金をださせようとするアピールであるが、私には受け容れられない。私はこの分野への研究資金がもっと必要だということについては著者らに同意する。
しかし私が問題だと思うのは、このようなやりかたは研究の必要性についての注目を集めることにはなるかもしれないが確たる根拠もなく一つの容疑者だけに集中するとヒトの病気の原因となる他の要因が見過ごされるかもしれない。推定に推定を重ねるのではなく、根拠は何かを明確にし、推定は推定であると明示するのが私の方針である。これらの論文のほとんどは推定と憶測であり、それを忘れてはならない。

  • アスリートは怪我をしてもプレイできるように麻薬性鎮痛剤を与えられている?危険で非道で犯罪の可能性?

ACSH
Athletes being given narcotics so they can play through injuries? Dangerous, unethical, perhaps criminal?
March 4, 2015
http://acsh.org/2015/03/athletes-given-narcotics-can-play-injuries-dangerous-unethical-perhaps-criminal/
麻薬性鎮痛剤の濫用について最近議論したばかりだが、少なくとも一つは対策がある。スポーツチームの、特に学生の、チームドクターを刑務所に入れるべきだ。
HBOのReal Sports with Bryant Gumbelのエピソードで記者が怪我をした若いアスリートにインタビューしていた。チーム関係者は怪我を治すために休ませるのではなくプレイを続けるために麻薬性鎮痛剤を与えられていた。一部のチームドクターやトレーナー、コーチが薦めることもある。一部のアスリートはやがて依存症などになる。アスリートにとって怪我での退場はポジションを失いプロの場合は職を失うことにつながりかねず難しい判断になる。HBOは3人のアスリートの恐るべき帰結を報道していた。
麻薬性鎮痛剤は適切な鎮痛と依存のバランスをとるのが難しい。怪我をしたアスリートがフィールドにすぐ戻るために麻薬を使うことに良いことはなく正当化できない。