食品安全情報blog過去記事

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銀ナノ粒子への暴露:知識更新

Exposure to silver nanoparticles: update of knowledge
10/03/2015
https://www.anses.fr/en/content/exposure-silver-nanoparticles-update-knowledge
銀ナノ粒子は、食品(添加物、食品包装、冷蔵庫内部のライナー)、生地(洋服、寝具類)、化粧品、衛生製品(歯ブラシ、ストレートヘアアイロン、殺菌剤スプレーなど)のような部門で様々な産業用途に使用されている。それらは主に抗菌性、抗真菌性の特性のため使用されている。しかし、フランスや世界中のどこかで使われている、銀ナノ粒子を含む全ての製品リストを手に入れるのはかなり難しい。2011年に、ANSESは銀ナノ粒子への暴露についての健康及び環境リスク評価に関する知識を更新するよう公式な要請を受けた。本日発表された意見で、ANSESは銀ナノ粒子の潜在的な健康及び環境影響を観察するために行われた研究を重視したが、健康リスクが評価されるにはまだ不十分だと述べている。とはいえ、人工ナノ物質のリスク評価に関する2014年4月の意見の結論に基づき、ANSESは銀ナノ粒子を含む製品の市販はその利点がはっきり示されたもののみに制限することを推奨した。
ANSESは銀ナノ粒子の抗菌作用と耐性の可能性やその全ての暴露ルートについての新知識を含む専門的な査定を発表した。銀ナノ粒子の潜在的危険性を推定するのは今日でも難しく、最近発表された毒性研究はよく矛盾しているとANSESは強調する。実際、たとえばその生殖毒性、遺伝毒性、神経毒性の性質を判定するのは不可能である。いずれ生態毒性研究数が増えると全ての水生と陸生動物に関する生体影響(死亡率、生育阻害、遺伝毒性、繁殖毒性など)が示されるだろう。
ANSESの勧告
・物理化学的性質決定、暴露評価、毒性学及び生態毒性、抗菌性効果と耐性の評価の分野での研究を推奨
・銀ナノ粒子を含む製品に関するデータのトレーサビリティと消費者情報の強化。ANSESはこのトレーサビリティはR-ナノデータベースへの義務報告だけでは達成できないと強調している。
ANSESは、ナノ粒子の形状であろうとなかろうと、銀は食品サプリメントの製造に使用可能な鉱物リストに載っていないと何度も強調している。インターネットで販売されているものを含み、食品サプリメントにナノシルバーが販売されていることを考慮して、ANSESは銀ナノ粒子を含む製品の販売規制と消費者への情報提供を強化することを推奨する。