食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 一部のザトウクジラは絶滅危惧リストから外れるかもしれない

ScienceInsider
Some humpback whales may lose endangered status
By Virginia Morell 20 April 2015
http://news.sciencemag.org/plants-animals/2015/04/some-humpback-whales-may-lose-endangered-status
米国政府が45年前に絶滅危惧種リストに掲載したザトウクジラをリストから外すことを提案した。環境保護主義者達は概ね合意している。NOAAの提案については90日間パブリックコメントを募集する

Dietary supplements shown to increase cancer risk
20-Apr-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-04/uocd-dss041415.php
AACRの年次会合で発表されたコロラド大学がんセンターのTim Byersらの研究
必要以上にダイエタリーサプリメントを使用している人のがん発症率が高い傾向がある
サプリメントは栄養のある食事の代わりにはならず、必要なビタミンやミネラルは健康的な食事から摂れる。過剰なビタミンやミネラルはむしろ有害である。
(特に何か新しいデータが出たと言うより解説っぽい。本当に不足しているなら医師の処方で医薬品のビタミン剤を適切な量摂った方が良く、サプリはほぼ意味がない。米国メディアがこれを報道することに意味がある)

  • ニセ薬の世界的流行は喫緊のリスクである、と科学者が言う

Global pandemic of fake medicines poses urgent risk, scientists say
20-Apr-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-04/nic-gpo041715.php
調べた医薬品検体の最大41%は品質基準を満たさなかった
The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene.の特集号で17報の論文がこの問題の多様な側面を記述している。
世界での約17000の医薬品検体のうち最大41%が品質基準を満たさず、ニセのマラリア薬が2013年にアフリカの子ども達の122350人の死亡原因と推定される。特に規制の弱い中―低所得国でニセ薬は蔓延している。緊急の、国際的対応が必要。
(インターネットで薬買うことには相当なリスクがあると心得よ。薬でこれだからサプリメントはもっとひどい)

  • 貧弱な科学と古いデータで間違った政策を支持する

Using poor science and stale data to support flawed policy
April 13, 2015, By Nancy Nord
http://thehill.com/blogs/congress-blog/technology/238460-using-poor-science-and-stale-data-to-support-flawed-policy
2008年に中国産の鉛混入おもちゃなどがアメリカの販売店に迷い込んでリコールが行われたあと、議会はアメリカ人を守ろうとしてCPSCに新しい権限を与える規制を作った。その後7年、パニックと混乱の時期に与えられた権力は消費者の利益になっているかどうか疑わしいが費用のかかる規制につながっている。私がかつて長を努めたこの組織は、実際のハザードに集中しないで間違った方向に規制の権力を使うことが増えている。現在の例はフタル酸で、昨年末にCPSCはおもちゃや子ども用品への永久使用禁止を提案した。子どもを守ることに反対する人はいないが、問題はCPSCの禁止提案が古いデータを根拠にしていてフタル酸よりリスクが大きいかもしれない代用品のことを考慮していないことである。理由は不明であるがCPSCの評価委員会はCDCのここ10年の最新暴露データ(昔より暴露量が減っている)を使用することを拒否して既に使用が禁止されているフタル酸を主要リスクとして「新しい」累積暴露評価を行って、暴露量への寄与は最小限だと評価したフタル酸の禁止を提案した。CPSCはもともと窒息や漏電による火事などの物理的機械的ハザードを主に対策していたが、新たに付与された化学物質リスク対策について焦って対応している。CPSCには長期的化学ハザードを規制するためのリソースはない。それはEPAFDAの仕事である。不幸なことに「おもちゃに危険な化学物質」という見出しはあまりにもみだらでCPSCは政治的に化学物質の規制についての地雷原に足を踏み入れてしまっている。そのためCPSCが本来果たすべき消費者を守る役割から遠ざかってしまっている。
Nancy Nordは2005-2013年CPSCのコミッショナー、2006-09年会長代理